アメリカ大卒 VS 日本大卒 社会人になったら何が違う?
夏のこの時期は現役留学生、留学を終えて帰国した生徒たちとの再会ラッシュのタイミングです。
その流れで、今回はアメリカの大学を卒業して、日本で外資系企業で働いている新社会人とランチをしました。
アメリカ大卒 VS 日本大卒と少し刺激的なタイトルをつけましたが、大学生になったらそこで得られる経験は個人の責任が伴います。したがって、文頭からタイトルの否定に入りますが、一般論として一把一絡げに「どちらが優れいてるか?」という単純な比較はナンセンスです。よって、結論から言ってしまうと、その答えはこのブログにはありません。
一方で、留学経験者や海外経験者は一度は海外から客観的に日本という国を見た経験から、私見として海外と日本の比較を自然とする癖がついていることも事実です。
今回は、新社会人として外資系企業でバリバリ働くアメリカ大学卒のA君(仮名)の彼なりの視点をピックアップしたいと思います。
彼と最初に会ったのはたしか、彼が大学に入学をしたタイミングだと思います。とても多求心旺盛で良い意味で空気を読まない(年齢の差、経験の差などの見えない壁を気にしない)性格で最初の印象から、北米圏でより能力を発揮するタイプの子という印象を持ったことを覚えています。
そんな彼も早々に社会人になり、サマーコーディネートながらビジネスマンらしい服装で私の前に現れました。近況報告とお互いにお腹を減らしているタイミングなのでもりもりと食事をしながら楽しい時間を過ごしました。
そのほとんどの時間をお互いの仕事の話で盛り上がりましたが、私は彼に会う前から必ず聞きたいと思っていた質問をぶつけてみました。
「社会人になった今のタイミングでアメリカの大学を卒業してよかったと思うことは何?」
一通り思案してから、彼はこう答えました。
「自分なりの価値観や幸せの定義を自ら作る力を身につける事が出来たこと。」
「大学の段階でとても社会人として通用する実践的な技術を身につける事が出来たので、日本の学生よりもその点について優位性を感じる。」
コンサルタントとして立派に働く彼らしい、とても簡潔でクリアな回答が返ってきました。
新社会人になってまだ半年ほど、まだまだ大学生の頃のキャラクターを色濃く残すこのタイミングでこの回答を聞けたことはとても貴重でした。
彼によると、日本の大学を出た同僚は良くも悪くも「言われたこと」を忠実にこなすことに慣れている、会議についても予定調和をしっかりと理解しているので、突飛な意見が出てこない、会議では荒波を敢えて起こすような気概、もしくは必要性を感じていないということを強く感じるそうです。
つまり、諸々の決断(個人の幸せ、仕事のやりがい、課題に対する正解)を自らの考えをベースで考えるのではなく、他者、周りの雰囲気を読み取ってそれに委ねる特徴がみて取れると彼なりに分析していました。これは、社会の流行り廃りに敏感でメディアや空気を読む事で社会にうまく同調していくことを良しとする日本人らしい特徴とも言えるかもしれません。
一方でアメリカの大学を卒業した彼は、仕事においても、プライベートにおいても自らの価値観、幸せの定義が確立しているので、他人と「違う」ことについて特に違和感を感じることなく、自らのキャラクターを持った上で会社員として、その「違い」を持って会社に貢献するという気概が感じられるのです。
その気概の根源は一体どこにあるのでしょう?
端的に言うと、アメリカ大卒の新卒はすでに大学時代にそれこそ一生懸命、専門的な分野の勉強、実践的なケーススタディなどの課題をクリアして卒業をしてきたという自負と即戦力として自信を持って仕事に向き合うところから生まれていると言えます。
一方で、日本の大卒はたとえば会社員の一年目は「見習い」という感覚で頼み込んで仕事を覚えるインターン的な意識、そして会社の一員として「会社の色に染まる」ためのステップと捉える学生がまだまだ多いのでしょう。
アメリカにおける大学の在り方、日本における大学の在り方の根本的な違いを知る事のできるとても興味深い話を聞きました。
新卒ながら仕事のスケジュールについても自分でマネージングする彼は少し遅めのランチを終えて、そのままオフィスに戻っていきました。これからの彼の活躍が楽しみにでなりません。
コンサルタントのメインの仕事は未来に向けた生徒のサポートですが、サポートをした先に彼らがどのように成長するのかを見極めるためにも、先輩留学生たちと話をする機会はとても貴重です。来週は、カナダ留学帰国後に日本の大学に進学をした生徒との再会もあります。
留学コンサルとしての学びはまだまだ続きます。