IB(International Baccalaureate)プログラムについて
今までIBプログラムについて、何度かブログで紹介させていただきました。今回、アメリカ、ニューハンプシャー州にあるNew Hampton Schoolを訪問した際、この学校で採用されているIBプログラムについての資料をいただきました。
このプログラムの学習面での有効性や特徴について再度考えてみたいと思います。
IBプログラムはあくまでも中等教育を終了するための一つの学習システムであって、それが学校そのものではありません。IBプログラムを採用している学校においても、すべての生徒が高校生の最後の2年間をこのプログラムで終えるということは考えにくく、New Hampton Schoolのように、本来自分の学校の高校卒業のためのカリキュラムを持ちながら、IBプログラムを併設しているという学校形態が一般的です。
IBプログラムはヨーロッパで生まれました。このプログラムをいち早く採用したのは、スイスのインターナショナルスクールです。それまでのアメリカ方式の高校プログラム(ディプロマプログラム)、あるいはイギリス方式(GCSEとAdvanced Level方式)のいずれかで成り立っていた学校形態をより充実し、大学での学習に呼応する内容にするために多くのスイスのインターナショナルスクールは、このIBプログラムを躊躇なく採用していきました。現在、スイスのインターナショナルスクールでIBプログラムを採用していない学校は稀になりました。
アメリカ、イギリスのトップクラスのボーディングスクールにおいては、IBプログラムは採用されていません。また、アメリカにおいては、総生徒数が150名以下のスモールボーディングスクールにおいてもIBを採用している学校はないと思います。このプログラムは、そのインフラの整備にかなりの時間と費用がかかるために、ある程度の規模のある資金に余裕のある学校でないとその採用は難しいと思います。
また、いずれの国においても、上位にある学校については、外部プログラムをあえて採用する必要はなく、自校のカリキュラムで十分という認識があると思います。
以前にも紹介しましたが、アメリカ、ニューハンプシャー州にあるPhilips Academy、Exeter校では、ハイスクールの4年間で履修できる科目数が200を超える数になっていました。それだけの多様性とそれを教えられる教師陣をもってすれば、外部からあえて異なるプログラムを導入するメリットはないと思います。
つづく