幼少時からの英語について
小学校に上がる前の子どもたちの英語教育が盛んになってきているようです。
街で見かけた幼児英語の広告に「TOEIC600点、英検2級の英語力」を
掲げたものがありました。
英語はあくまでも異文化とのコミュニケーションの道具です。
小さな子どもたちにとって大切なのは、異文化を知ること、親しむことが、
これから大切にで、なおかつ楽しいことを教えることであって、
テストの点数をクリアすることではありません。
小さなうちから、TOEICや英検対策を中心に子どもたちに英語を教えれば、
彼らはそのために学習するようになり、本来の目的である
異文化を知るということが置いていかれてしまいます。
TOEIC600点、あるいは英検2級が合格できる実力があれば、
基本的なことは英語で話せると思うのは、イメージだけの世界の幻想です。
知識と関心が組み合わさって人はやる気を起こしますが、
一方的に覚えさせても、それを使える場面や状況がはっきりしなければ、
使えるわけがありません。
日本では、多くの人たちが「受験英語」でそれを体験、あるいは
実感しているはずです。
これから、英語が世界の共通言語としてより求められることになるのは、
明らかだと思いますが、それを獲得するための方法は、
テストの点数や資格によって成り立つものではありません。
子どもたちに英語を覚えさせるためには、彼らがそれを必要とするか、
あるいは、覚えたほうが楽しいことがあると思わせることではないでしょうか。
出来ることであれば、幼少時に家族で異文化の世界に旅をしてみる、
あるいは、音楽やアートというような分野で異文化と接してみるなどのほうが、
テストの点数や資格を追いかけかけるよりも自然ではないかと思います。
そして、世界や異文化を知るということに加えて、これからは、
日本を世界に伝えるという発信の仕方も考えなければならないと思います。
テストや資格は、あくまでも知っているかどうかを確認する一方通行なものです。
こちらから、発信するということに今まであまりにも無頓着な結果、
これだけ必要とされる英語がいつになっても覚えられないということに
なってはいないでしょうか。
幼少時から、教室にこもって、知識の詰め込みを訓練させるよりも、
家族で異文化に挑戦してみたほうが、どれだけ面白いことでしょう。
異文化は英語圏だけではありません。
日本の隣国でも、英語は共通語として使えるところがたくさんあります。
身近なところから、家族での取り組み、それが幼少時に必要な英語学習の
布石になると私は思います。