#3 留学準備期間について
<水曜日のブログに続きます>
4月から9月までの期間、日本で留学準備をする場合を考えたいと思います。小学生の高学年から高校生までの留学では、留学準備のために英会話をする必要はないということを私は繰り返して述べてきました。留学に必要になるのは、英語で読み書きをする知識と技術であり、話す聞くは留学生活のなかで、自然と身につくからです。
留学の準備を日本でする場合、最もお勧めしたいのは、英語文化に興味を持つための学習です。残念ながら、日本の受験文化のなかには、それに取り組む生徒が興味を惹かれるような英語教材は少ないと思います。
ディズニーの絵本やイソップ物語、世界文学全集のなかから小学生用に作られた本を読むのです。読書が好きな生徒は、言語にかかわらず物語に興味を持つものです。絵
読書はボーディングスクールでの授業の基本です。
日本の受験では、試験という時間的制限があるために、長文読解といってもせいぜい40-50行の英文を読む程度です。その内容について、理解が求められるわけですが、自分の意見が試験に反映されることはありません。
それ故に、留学を控えた生徒の頭は、英語学習の概念として毎日1ページ程度の教材を理解することに限られています。
ところが留学することで、その状況は一変します。
次の時間までに数十ページの文章を読んで、それに対して「あなたの意見を述べなさい」と言われれば、誰でも「どうしよう」と思うのは必至です。ひどい時には、パニックになります。このような状態を避けるためにも、英語で長文を読むことに慣れることです。そのための教材として、日本の受験の英語教材は適切ではありません。難易度という観点からではなく、内容が面白くないのです。
留学すれば、読むことと同じように書くことも求められますが、日本で書くことまでも準備するとやることが多すぎて、集中に欠くことになる可能性が高いので、書くことは、留学してからの課題でいいと思います。
なるべく長くて自分で興味の持てる小説や物語を読むことに加えて、そして文章を理解するために必要な文法も日本でしっかり学習しておくことをお勧めします。ただし、例外的な文法規則や難しい言い回しや熟語などを覚える必要は全くありません。それよりも、高校初級程度の文法を徹底して理解することです。その知識は、留学先でも必ず役立つと思います。
つづく