#2 教育のルーティーンを変えてみる
<前日のブログに続きます>
教育のルーティーンを変えるというのは、今まで当たり前として捉えられていたことを変えてみるということです。先日のブログでは、学校で教えられる歴史という科目のなかで、暗記するということから、事件の背景や結果、その後などを取り上げることを優先してみてはどうかという提案です。
ボーディングスクールではそこから更に発展させて、歴史事実と反対のことなどを想定して、先生が生徒たちに意見を求めます。
暗記がその場限りの知識で、試験が終わればゴミ箱に入れられるがごとく、忘れ去られてしまっても差し支えないという知的作業に子どもたちが魅力を感じないのも無理のないことです。
ボーディングスクールの教育で優れている点は、先生と生徒のコミュニケーションの活発さと、そこから引き出される生徒自身の考え方の発揚にあると思います。一言でいえば、いろいろな歴史上の事件に対して、「あなたならどうする」と先生は問うていくわけですが、初めは勝手に意見を述べさせておいて、そこから徐々にその根拠を先生が追及したり、生徒同士でなぜという議論をしたりして、その事件に対する知識を増やしていく、興味を持たせるというのが先生の教育的技術ではないかと思います。
歴史だけでなく、英語のクラスでも読むことの面白さを授業で追っていくことをボーディングスクールの先生たちは大切にしていると思います。だから、小説を全部読ませる。生徒たちは、大変かも知れませんが、自分たちの理解をより先生が深めたり、生徒同士のディスカッションをしたりして、結局は自分の「世界」をより拡げることが授業の目的になっていると思います。
授業が自分とのかかわりというところから進行していくのに対して、日本の受験英語は、正確な「解釈」ができるかどうかが試されるだけで、自分と英語のかかわりについては、お構いなしに授業が進んでいきます。自分の将来にやりたいことがある程度イメージできて、そのために大学に行きたいと思う生徒は、日々の授業がどうであれ、試験に受かるための努力ができるでしょうが、それが無い生徒は受験勉強がやはり大変な苦痛になると思います。
日本の受験生にとって、日々の授業のなかで、やっていることと自分とのかかわりがはっきりとすれば、学校そのものがより楽しいと思われるのではないかと思います。
つづく