留学コンシェルジュ

#3 現代大学生気質

<昨日のブログに続きます>
好きなことを納得するまで追求することは、ボーディングスクールの理念に他なりません。これから世界がいかにグローバル化され、価値観が多様化して複雑な仕組みになっていくとしても、それ故に、自分が生きていくための芯棒のような意識がとても重要になるのではないでしょうか。
今の学生の立場の人たちは、情報は瞬時に欲しいだけ得られるという環境にあります。それ故に、要領よくなんでも行うことには慣れているのかもしれません。しかし、留学というのは、要領よく情報を集めることはできても、それを実行するのはあくまでも自分であり、たとえ英語がしっかり読めたとしても、インストラクション通りに進まないことなど日常茶飯事です。すなわち、自分の信念がないと、夢を現実にするための障壁はたくさんあって、結局は妥協せざるを得ないのではないかと思います。
受験時代は、どれだけ知識を蓄積できるかが勝負でした。そのための技術、情報などの仕掛けはたくさん作られていますから、自分に合ったものを選び出したら、それに従って根気よくやり続ければ結果は出せました。
しかし、留学という夢は今までの方法ではなかなか達成できないのかもしれません。さらには、今まで我慢に我慢を重ねて耐えてきた勉強を、更に加速してTOEFLやTOEICといったハードルを越えないといけません。結果的には、要領よくアルバイトやサークル活動といった楽しみが優先されるのも無理はないのでしょう。
結局、彼らを受けた企業は、ほぼ強制的に短期間で企業が求めているスキルを社員につけさせようとするための語学留学を実行するということになるのではないでしょうか。企業内語学留学はここ10年間でかなり多くなっていると思います。私の知る限りですが、いわゆる個人留学をサポートする会社で規模の大きなところは、企業内留学をサポートする部門を持つようになりました。
異文化適応については、年齢が低い方がはるかに有利です。10代前半であれば、自身の既成概念が少なく、新たな環境にすんなりと適応できる精神の柔軟性を持っているので、半年もたてばおおよその生徒が生活英語をマスターします。
企業留学で海外に学ぶ人たちは20代半ばくらいにして、3か月くらいで一定の成果を出さなければいけないのですが、「社命」という絶対条件があるなかで、かくして生活英語のみならず、ビジネスで必要な読み書きまでも学ぶという離れ業をやってのけているようです。
「人間、なせば成る」という格言は、真実味があるように思います。
つづく

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