日曜コラム スイス学校訪問を終えて
今回のスイスの学校訪問ですが、国際都市ジュネーブへの幹線道路は
朝と夕方とてつもない渋滞に見舞われていました。
タクシーの運転手さんによると、賃金の安いフランス側がら、賃金の高い
ジュネーブに多くの人たちが毎日仕事をしにやってくるために、
朝夕に渋滞が起こるのだそうです。
「賃金格差を気にする人たちが『車』で国境を越えてやってくるだろうか」
と思うのですが、この渋滞、
ジュネーブから外に向かう車線から反対側から見ていると
一車線しかない道路は数キロにわたって、「渋滞」というよりも、
車が停車しているように見えます。
車中の人たちはこれで仕事になるのかと思われる光景です。
渋滞が解消されて仕事場に着いたと思ったら、すぐに
帰りの「渋滞」のことを心配しないといけないのではないかと思います。
とても狭い山間の道、雪の積もった路面、短い間隔の信号機、
ロータリー式の交差点など、とてもレンタカーを運転する気にはなれません。
スイスでは渋滞や雪道の心配をしながらの車での移動よりも
電車のほうがはるかに快適です。
日本のJRのグリーン車よりも2-3割は高い運賃になりますが、
一等車であれば、ゆったりと座ってどこへでも移動できます。
学校訪問の際は、最寄の駅まで電車で行きそこからタクシーを使います。
タクシーは日本の5割増しくらいの料金です。
アメリカの学校訪問では、学校の立地が人里離れた田舎が多く、
移動距離も長いので、食べるところを探すのに困ることが多々ありますが、
スイスではかなり小さなホテルでもレストランが併設されています。
街中のホテルにレストランが無いのは、その周辺にたくさんのレストランがあり、
お互いの共存のためではないかと思います。
レストランがホテルになくても、朝食のビュッフェは無料がスイスでは当たり前で、内容がアメリカと比べてはるかに充実しているだけでなく、
パン、チーズ、デザート、生ハムなどがとても美味しいのです。
食文化はとても大切です。若い時はそれほど感じませんでしたが、
年を経るごとに、食の量よりも質を考えるようになり、
さらには、その質を取り巻く環境にも配慮が必要に感じるようになりました。
食を文化という面で捉えると、アメリカはとても若く、元気がある反面、
量で圧倒するようなところがあるように思います。
それと比べると、スイスそしてフランスやイタリアの食文化は、
日本と共通するような質や環境へのこだわり、繊細さがあるように思います。
スイスのホスピタリティー系の学校が世界で評価される理由に
納得の根拠が見えた今回の学校訪問でした。