#7 ボーディングスクール-コミュニティーという考え方
<昨日のブログに続きます>
授業に対する考え方とともに、ボーディングスクールコミュニティーにおいて、留学生はその生活への適応という点でも、初期の戸惑いは大きなものがあります。
12日のブログで述べましたが、ボーディングスクールの寮生活は、「選ぶ」ということが基本で成り立っています。日本での生活においては、学校生活において選ぶことが重要になってくるのは、大学に入ってからではないかと思います。
選ぶためには、自分の意志が必要になります。すなわち、受動的ではなくて能動的な思考や行動が必要になります。
日本の場合、運動会、修学旅行、文化祭など全校的なあるいは学年単位のイベントが基本でこれらへの参加は当然のこととして考えられていますから、選ぶ必要はありません。しかし、ボーディングスクールの学校生活においては、これらに該当するような全校的イベントはないといえます。
学校を小社会と捉えるボーディングスクールですが、英語圏の学校は日本のように全校一致のイベントは文化的にそぐわないようです。
スポーツ活動などを見ても、自チームがホームで試合をする時などは大いに盛り上がりますが、もちろん観戦は各自の自由です。週末の外出ももちろん寮生はサインアップ(登録)制なので、行動を起こさない生徒はほっておかれることになります。しかしながら、それも生徒の自由と責任の使い分けと考えるのが、英語圏の社会ですから、気遣い文化が徹底している日本と比較すると、戸惑わない方がおかしいのかもしれません。
留学生たちは10代の初期にして、親もとを離れて選ぶことが基本の学校文化に半年ほどで適応していきます。親が意見を求められるのは、基本的には支払が生じる場合、怪我などのリスクを承認する場合です。週末に参加するイベントは親が決めるわけではありません。
選ぶことに中学生くらいから慣れておくことは、英語圏の文化と付き合ううえでその基本となるでしょう。レストランでも、買い物でも、友だち付き合いでも、日常において恒に選ぶことを求められるからです。おおよそのことが、選ばなくてもいいようにセットで考えられている日本とは大いに異なりますが、慣れてしまえば、「選ぶ」ほうが心地よいようにもなってくるのが留学生の現実なのかもしれません。