ボーディングスクールの教育 ―♯4スポーツは全員参加です
<火曜日のブログに続きます>
「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」という教育方針を実践するボーディングスクールでは、スポーツが放課後の必須参加活動であることは前回述べました。また、ボーディングスクールには、ジュニアボーディングスクールも含めて体育の授業というのは、正課にはありません。放課後の3シーズン制のスポーツが体育の代わりです。
ボーディングスクールのスポーツは、生徒が自主的に3シーズンのスポーツ種目を決めます。もちろん、スポーツよりも、芸術面、音楽面に力を入れたい生徒もいますから、1シーズンはスポーツの代わりに他の活動を放課後に行っても良いという規定を設けているボーディングスクールはたくさんあります。
今日の表題、スポーツの全員参加の内容は、チーム編成についてです。日本の場合、中学、高校のスポーツ活動クラブでは、主要な試合に出ることができるのは、1校、1チームに限られています。しかし、ボーディングスクールにおいては、生徒の技量に応じて、1軍、2軍、あるいはそれ以上のチームを編成して、それぞれのチームが主要な対抗試合にそれぞれのレベルで参加します。
更にユニークなのは、ジュニアボーディングスクールの一軍とボーディングスクール(高校)の2軍が対戦することも頻繁にあるそうです。
技量に関係なく、自分が好きなスポーツ、あるいはやってみたいスポーツ、興味のあるスポーツをすぐにできるのがボーディングスクールの体育教育の注目すべき点があると思います。
新たなことを始めるには、勇気と決断力が必要です。ボーディングスクールでは、生徒たちが新たなことに挑戦することをとても尊重しています。そうすることで、生徒たちが新た能力や才能に目覚めることもあるでしょう。また、継続して一つのことをおこなえば、長い人生、そこから学びうることも多くあると思います。
このような考えの結果、スポーツチームの能力、技能別編成が生まれたのだと思います。
アメリカには日本の高校野球のような全国レベルのビッグスポーツイベントは高校レベルではありません。ボーディングスクールの世界においては、対抗試合のリーグは、全国レベルということはあり得なく、せいぜい州単位です。
このような体育環境ですが、フットボール、バスケットボール、野球などのプロスポーツの世界に多くのボーディングスクール出身者が活躍しています。