#4 ボーディングスクール-コミュニティーという考え方
<昨日のブログに続きます>
昨日のブログで日本からの留学生が克服するべき3つの不慣れについてあげました。学習習慣、生活習慣、そして人間関係ですが、戸惑いながらも10代前半の若者たちはどのようにして、ボーディングスクールというコミュニティーに順応していくのでしょうか。
日本の授業とは形態が全く異なるボーディングスクールでは、留学生の英語の不自由さと相まって最初の一か月あまりは精神的に最も不安定な時期です。クラスで発言しようにも何をどのように言うのか、言葉の壁、そして日本の学校では発言の機会が少なく慣れてもいないため、殆どできません。宿題や課題についても、内容の問題以前に、何をどうすればいいのか、先生の指示そのものが明確に理解ができません。それを質問しようにも、何をどのように質問していいのかがわかりません。
また、勇気を奮い起こして、準備も周到にして質問しようとしても、先生の所在が不明だったり、その機会を逃すこともあります。
このような時は、あせってはいけません。「どうしよう」という不安に圧倒されると、問題の本質が見えなくなります。
ある留学を控えた10年生(高校1年)に入学予定生徒から「(留学先での)科目について教えてください」という質問を受けました。
代数学(Algebra)、理科(Science)、世界史(World History)、英語(English)、
ほかに2科目の選択という留学先校からの回答でした。日本の高校と同じような科目ですが、お母さんによると、留学準備に意欲は燃やすのですが、その割には本人の日本での日常で、「勉強時間」が増えたわけではないそうです。おそらく、日本の中間、期末試験に対する準備という習慣が身についているためのパブロフの犬的反射ではないかと思います。
留学生たちは、日本的習慣から、あくまでも試験に対する準備のための「学習」という視点から学校生活を考えます。ところがボーディングスクールでは、日本のように目指すべき大学入試という「試験」はないのです。SATやTOEFLは、合格、不合格ではなく、学力や英語力を判定するために使われ、結局、それで満点を取ったとしてもそれが大学合格を保証するわけではありません。
つづく