大学への進路相談
北米の教育システムは単位制です。高校も大学も学校が要求する単位を満たせば卒業ができます。日本も北米同様に単位制で、学校が定める単位を履修すれば卒業ということになります。しかし、日本の場合、入学と卒業はその時期がほぼ決まっていて、その時期を逸脱して入学し、卒業することは一般には行われていません。ところが、北米の場合、入学も卒業も個人の都合で行われても構いません。
カナダの公立高校で学ぶ生徒から、大学進学についての相談を受けました。日本ですでに高校1年生を終了して留学した本人は、英語力次第で英語のハンディを克服して2年間での卒業も可能で、来年の6月で卒業を目指したいと言います。
その場合、入学難易度の低い、コミュニティーカレッジであればEnglish12という科目さえ履修していれば入学を認めてくれるそうです。それ故に、English12を来年1月からの後期にオンラインで履修することを考えているとのことです。
もし、4年生の大学を目指す場合は、12年生の科目4科目の履修が必須となるので、その場合、少なくても来年の12月までは現行の学校で学ぶ必要があるということです。
以上、卒業に必要な単位さえ履修すれば、アメリカでもカナダでも高校生たちは卒業式にこだわることなく学校を去っていくということが、日本の高校との明確な違いとして私が取り上げたかったテーマです。
さて、この生徒の場合、進学相談の要点は、コミュニティーカレッジへの入学をするか、あるいは4年制大学に進学することを目標として高校生活を送るかということに対するアドバイス、そして大学で何を勉強するかということについても、相談したかったようです。
「大学で何がしたいのか、はっきりとは決まっていません。でもホスピタリティーのようなことは好きなので、それを勉強したいとは思っています」
― ホスピタリティーというのは、大学で専攻する科目ではなく、職業訓練的、実践的な要素を多く含む学習だけど、それでもいいですか
「はい、将来は海外で仕事をしたいと考えています。だから、ホスピタリティーのような実務的なものを学び、その知識を基にして、次の段階を考えたいと思います」
― 日本の大学に進学するという選択はありますか。
「いいえ、考えていません」
― 君は何人兄弟ですか。
「4人です。一番下です」
― では、ご両親は上の兄弟に任せられる?
「はいそうです」
つづく