英語の学び方
留学を決定してからそれを実行するまでの準備期間にすることで最も多い質問は英語の勉強をどのようにしたらいいかということです。
まずはコミュニケーションが大切という視点からいえば、英会話が必要になるわけですが、実際は英会話よりも英語を読む力を養う方が留学してから役に立ちます。また、スポーツや芸術、音楽、ダンス、演劇といった学習外の要素も十分に磨いておく必要があると思います。
少なくとも、一つに偏ることは避けないといけません。なぜならば、ボーディングスクールでの生活は育ちざかりの子どもたちに必要な社会生活の栄養素がバランスよく配合されて成り立っているからです。この中学、高校での生活を日本の受験という視点から見れば、「なんと甘い生活」ということになるかもしれません。バランスなどとは言っていられなく、とにかく、早期に受験準備体制を確立して、学習の質と量を増やしていかなければ、受験に勝ち残ることは出来ないということになります。
このような日本の受験の現状から考えると、考え方が受け身の学習にエスカレートせざるを得ないのかもしれません。知識の質と量が求められます。それが多ければ多いほど難関大学への合格が見えてきます。必然的に、英語の入学試験問題は、難しい内容の論説文が出題され、それを見事に解釈してその内容を上手に表現できることが求められます。しかし、それらを解釈し、理解することができても、それはあくまで受験という「バーチャルな世界」でのできごとであって、実際の社会に出れば問題の解決にあたることが求められ、理解や評論がたとえ正確であってもそれで評価をされるわけではありません。
ボーディングスクールでは、生徒は自分の意見を述べることが求められます。そこに創造性や独創性があることが評価の対象にもなります。
そのために留学が決まったら何をどのように準備したらよいのかという質問が親から寄せられるわけですが、私のアドバイスは、できるだけ留学は早めにしてほしいということです。
日本での準備学習には時間的な制約があります。また、日本では安心して学べる環境があるももの、どのようにしてそこで生きていくかなどという「甘くない」環境を作り出すことはほぼ不可能です。
留学が決まったら、なるべく早く留学できる準備を考えること、それが英語をコミュニケーションの道具として学べる最善の方法と私は考えます。