ボーディングスクールの教育 ― 食事について
<火曜日のブログに続きます>
ボーディングスクールの食事はここ10年で大きく改善されました。改善された要因の一つにアジア人留学生の増加があると思います。
世界をリードするアメリカですが、食文化については、日本のほうが遥かに優れているとおおよそアメリカを訪れた日本人は感じると思います。個人的にも、年に7-8回、学校訪問でアメリカを訪れますが、一週間ほどの滞在で一番困るのは食事です。帰国前のホテルでの食事や国際線では、食欲はかなり低下し、正直なところ「もう、たくさん」というのが本音です。脂っこく、量が多く、繊細さに欠け、種類も少なく単調な食事は米で育てられた文化を持つ日本人には受け入れがたいところがあると思います。
さて、今の中学、高校留学生たちですが、ボーディングスクールの食事について、おおよその生徒が受け入れることができるようです。学校訪問時に時々、昼食を訪問先校のダイニングホール(食堂)でいただくことがありますが、ひと昔に比べると、選択のバリエーションが多くなったことが、その進歩と言えると思います。
余談で恐縮ですが、日本での昼食が果物と牛乳のみの私にとっては、食べるものの選択肢の多いボーディングスクールの食事は好都合です。私が欲しいものは完璧に用意されています。また、同行する生徒やその保護者の皆さんもとても満足気にボーディングスクールで昼食を摂られます。
規模の大きなボーディングスクールになると、アジア、イタリア、ベジタリアンなどから昼食を選ぶことが出来て、その組み合わせはかなり多くなります。それぞれの場所に盛り付けをする給食スタッフがいるところもさながら都会の大きなホテルのバイキングと言えるでしょう。
ボーディングスクール側によると、食事の改善は配膳会社の競争による質の向上を上げています。学校独自で食事を賄うのではなく、その専門会社複数が競合することにより食事が美味しくなったということですが、その背景には、食事について生徒からの細かな指摘があったともいえると思います。もちろん、世界から多様な食文化を持つ生徒がボーディングスクールに来るようになったことの効果ではないかと思います。
ボーディングスクールの食文化、これからは、日本からの留学生が牽引するようになってほしいと思います。