ボーディングスクールの理科の授業
中学校3年生を終了し10年生としてアメリカ、ボーディングスクールに入学した生によると、理科の授業の日本とボーディングスクールの大きな違いは、その実験数にあると言います。
ボーディングスクールの場合、先生が自分の教室を持っていてそこから動かず生徒が授業ごとに移動します。それ故に日本の職員室というスペースはボーディングスクールにはありません。これは、ボーディングスクールのみならず、英語圏の学校全般に言えることでしょう。
先生同士が話をしたい場合には、職員用のラウンジ等スタッフ専用の場所が用意されていますが、そこは先生がくつろいだり、談笑したりするにも使えるのですが、おおよその先生が忙しいので、あまり活用されてはいないようです。
さて、理科の授業、なぜボーディングスクールは実験の数が多いのでしょうか。それは科学への日本とアメリカのアプローチに違いだと思います。ある現象を中心にしてそこから引き出される論理を学習するのか、あるいは、論理を教科書中心に勉強するのかの違いです。
余談ですが、ボーディングスクールでは実験が多いのですが、火を使う実験については、先生自らが行い生徒はそれを見るという方法を取る場合が多いのだそうです。日本は実験に際してはまず火の使い方から入るのだそうです。火気については、日本の方が親しみあるいは、取扱いに積極的なのかもしれません。
アメリカ、ボーディングスクールはITの導入もとても積極的です。サイエンスユニットの建物には、たくさんのクローン、3Dプリンター、レーザーカッターなどが置いてあります。また、レゴを使ったいろいろなロボット、あるいはセンサーを内蔵した競技用のロボットなどが雑然と教室には置いてあります。そのようなものに今まで接したことのない生徒にとっては、大きな刺激となることと思います。
また、生物関連の授業については、ボーディングスクールの生徒たちは良く湖、沼沢地、森などに出かけて実際の生物に接することが多いようです。
覚えることを促進するために実証、実験を重んじているボーディングスクールの理科の授業と教科書学習が中心の日本の理科の学習、どちらが生徒にとって興味が持てるかですが、その答えは教育を受ける側が主体的に決めてほしいものです。