休日コラム 二男の養蜂
三連休の最終日、私は家内とともに千葉県、君津市にいます。
二男の養蜂作業の応援に来ています。
社会人となってから「蜜蜂と一緒に仕事をしている」とは彼の弁ですが、
確かに蜜蜂を生かして、彼らがせっせと集めた蜜を採取して、
それを人々に摂取してもらうことが彼の仕事です。
今、日本では養蜂家の高齢化が進んでいて、
それを引き続くいわば働き盛りの世代は完全に欠落しているそうです。
一般的には、養蜂は親から子へと引き継がれているそうです。
そうでないと、花が咲く季節に蜜蜂たちが活躍できる採蜜の「場」の
確保が難しいということです。
そのなかで、20代で新たに養蜂界に参入するというのは、おそらく、
日本でも指折り数えられる人数しかいないと思います。
あるいは、5人もいないかもしれません。
なぜ息子が養蜂という世界に入ったのか、本人いわく、
仕事としてのシステムが構築しやすかったからだそうです。
たしかに大動物の場合と違って、蜜蜂はとても安価で事業がスタートできます。
また、蜜の生産、販売、営業なども牛や豚、鶏などに比較して、
新規で始められやすい条件であり環境でもあります。
問題は採蜜の場をどのように確保するかなのですが、
60歳を超える現役養蜂家の人たちにとって息子は、
当節きわめて珍しい「若いもん」だそうで、ライバルとして敵対、
競争をするというよりも息子や孫のようにとらえられているようで、
息子が養蜂事業をシステムとして拡大していくのに、
少なくとも潰されるようなことはなさそうです。
息子が養蜂をするようになって驚いたことがあります。
それは、千葉県の田舎性です。
東京のベッドタウンとして神奈川、埼玉、千葉という大雑把なイメージを
私は描いていたのですが、埼玉の川越の自宅から、
東京のど真ん中を首都高で抜け、アクアラインで東京湾を横切り、
木更津に出て館山道を経て君津に着くのですが、渋滞がなければ1時間30分です。
都心からも1時間も離れていないこの場所は、驚くほどに田舎です。
猪、猿、野兎など、息子に言わせれば毎日どこかで遭遇し、
さらに山奥には鹿さえいるのだそうです。
都会の近くにも驚くほどの自然があります。
息子の君津の住居は、自宅、事務所、作業場を兼ねていますが、テレビはありません。
家内は「寂しいね」と言いますが、パソコンがあれば、息子にとっては、
日常生活には問題ないのでしょう。
そんな彼の生活がどうやらあるマスメディアのプログラムに
興味をもたれたようです。
つづく