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♯2 ボーディングスクールの教育―やる気に火をつける

<8日のブログに続きます>
人格の形成に必要な社会的道徳や個人の社会貢献のための根本理念がボーディングスクールでは日常の学校生活の中で実践されていますが、人間としての基礎を基にして、学問についてはどのような指導がなされているかを考えてみたいと思います。
ボーディングスクールの中等教育は、知識を覚え込むという作業よりも、生徒ひとり一人のやる気に火をつけることに重点が置かれているように思います。生徒をやる気にさせるには、先生がそもそもやる気でないとその目的は到底達成されないと思います。
私は先生のやる気を、学校訪問の度に感じることができます。多くの先生が訪問者を快く迎えてくれ、更には、自分が教えている内容についての説明に、先生自らが夢中になるといような機会がどの学校でも同じように行われるのです。
もちろん、先生がいくら熱く語っても、生徒がそれを聞くだけでは飽きてしまいます。それ故に、先生たちは自分の分野に熱い気持ちを持ちながら、10名から15名くらいの一クラスの生徒に向かって、様々な問題提起や仮説を投げかけます。それは覚えるという無味乾燥なものではなく、生徒を主人公として展開させるいわば思索の時間です。国語として英語の授業、歴史の授業などでは、「なぜ」の追求が行われ、生徒に自分自身のこととして、歴史や文学を捉え、考えるように先生は生徒を導きます。
理科のクラスでは、それを受けている留学生によると実験の回数が日本の受業よりも多いということに帰結します。実験や実習が多い方が、生徒がやっていることに興味が持てるというボーディングスクールの教える側の考え方がここに反映されていると思います。
やる気に火をつけるためには、学問の分野だけでなく、芸術、音楽、社会活動、そしてスポーツ全般に対する学校の積極性が求められます。それらの活動のためにボーディングスクールが費やす費用は膨大です。たとえば、寮生数が300名を超えるボーディングスクールには北国特有のアイスリンク、そして1年中泳げる室内プールがおおよそ完備されています。これらの施設を維持するためには、相当な費用が必要になると思いますが、生徒の需要に答えるのがボーディングスクールの教育に対する姿勢と言えます。
ボーディングスクール、そこに集う若者のやる気に火をつけられるからこそ、目まぐるしく変化する現代社会のなかで生き残っていけるのではないかと思います。
つづく

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