#1 - 学ぶことの面白さ
連休に入る前、19日のブログ、「人格と学習について」の続きとして、学ぶことが面白いということについて考えてみたいと思います。
大学での勉強と実社会との間にかなりの隔たりがある日本と違って、英語圏の大学ではより実践的、より具体的に社会に出る準備が行われるか、あるいは、自分の好きな分野、興味のある分野に特化して学生たちが学んでいるように思います。
たとえば、アメリカの大学には社会に出た人たちも多く学んでいます。地域の人のために施設の開放は当たり前で、スポーツ施設だけでなく、たとえば授業として行われる映画鑑賞、美術展、ミュージカル、演劇などは極めてオープンに行われています。
また、自分が興味ある分野、たとえば歴史や生物などの特定のクラスも聴講できる仕組みも発達していると思います。
中学、高校としてボーディングスクールでもミュージカル、演劇は年に1、2回定期公演が行われるところが多く、このイベントには生徒の家族のみならず、地域の人たちが多く参加します。
美術に関しても、ギャラリースペースのあるところが多く、卒業生や学校と縁のあるプロの画家や陶芸家も母校のために展覧会の開催に自分の作品を出展するというケースはたくさんあります。学校訪問の際、音楽、美術施設を見るときに、そのような説明をツアーガイドの生徒や先生が熱心にしてくれます。
「学ぶこと」の広さを英語圏の学校は日本からの留学生に教えてくれると思います。学校訪問の際、ツアーガイドの生徒や先生は、訪問者の生徒にスポーツと音楽、美術等でやっていること、あるいはやってみたいことを必ず聞きます。それは、机上の学習だけでなく、自分の興味や趣味の分野も広く「学び」の範囲に取り入れることで、生徒たちの好奇心を刺激することが、ひいては学習全般に良い影響を与えるということを学校やそこで学んでいる生徒が知っているからではないかと思います。
まだ知らないから知ろうとするのは、自然な人の意識です。その範囲を思い切って拡げてやらせてみることで、生徒たちが自分で動きだせることを教える側は意図していると思います。
つづく