その2 ボーディングスクールの学習評価について
<前日のブログに続きます>
学習評価について日本の学校とボーディングスクールの違いを考えてみたいと思います。
日本、ボーディングスクール共に、生徒がどうしたら伸びるかと考える点では共通しています。社会に出て困らないために子どもたちは学んでいます。その学習達成度を確認するために、テストが行われます。宿題も課題も出されます。そして、授業によって、生徒たちには学ぶことの大切さや楽しさを学ぶことになっています。
そのような教育本来の目的を達成するためにどうしたら、生徒が自分で学習に取り組むようになるのかを考える仕組みを作っているのがボーディングスクールの教育方法ではないかと思います。
日本の場合は、生徒と先生が目標としているのは、テストでの高得点ではないかと思います。その傾向は大学入試を目標として、それに近づく高学年になればなるほど高まります。小学校、中学校時代は学期ごとに先生のコメントが通知表に書かれますが、高校になると、点数だけの評価となり、テストの点数そのものが評価結果とされている学校も多くあります。
日本式の場合、点数だけの評価ですから、たとえば高校生になって、その結果を親にもたらされても、本人の何が良くて、どのようなところを改善しなければならないのかは、本人が自分で考え、自分で親に説明しなければいけません。
もし点数だけを見て、親が本人の成績の良し悪しを指摘するとすれば、本人とすれば不服なところも多く出ることでしょう。
その点、ボーディングスクールは親に対する本人の成績報告で各教科の先生がコメントすることを基本としています。そして、前日のブログでも述べましたが、その内容は基本的には良い所をほめるということになります。
良い所をほめるということは、英語圏では、文化として定着していると思います。それ故にyou are special、make a differenceといった概念が教育のなかで当たり前のこととして受け入れられて、それを基本としていろいろなことが考えられています。
ボーディングスクールの先生のコメントは多分に親を意識していて、親がそのコメントを基にわが子と話をするときに、必ず「良い面」から話ができるようにしむけられているのではないかと私は思います。悪いところを指摘するよりも、良い点から話がスタートしたほうが、どれほどコミュニケーションが取りやすいでしょうか。また、親として、わが子をほめられたほうが、どれほど嬉しいでしょうか。
それぞれの生徒に対して、どのような点が優れているのか、ボーディングスクールの先生はそれを見出すことをいつも考えていると言えます。