世界を駆けるアドミッションスタッフ
コンサルタントを長くやっていると、
ボーディングスクールのアドミションスタッフと親しくなります。
アメリカボーディングスクールにとって、留学生は欠くことのできない
存在ですから、各国のコンサルタントと親しく交わり、
自校が望む生徒を彼らから獲得することは、
アドミッションスタッフにとって必須と言の活動といえます。
留学生がアメリカボーディングスクールにとって欠かせない理由は、
多様性を重んじるからにほかなりませんが、
学校経営面でも、おそらく自国の生徒のみで運営できる
ボーディングスクールは全体の30%くらいではないかと思います。
アドミッションスタッフは、留学生を求めて南極大陸を除く
5大陸へと生徒リクルートの旅を毎年行っています。
特に親しくしているジュニアボーディングスクールのディレクターオブ
アドミッションから来るメールは、ここ1か月余りの間に、
カリブ海の国から、ヨーロッパにわたり、雪のぱらつくサンクトペテルブルク
(ロシア第二の都市、英語読み、セントピーターズバーグ)に行き、
自校に戻っています。
「世界を旅できていい」と思う人もいるでしょうが、
彼らの旅は世界のどこに行ってもあくまでも生徒募集活動が中心であり、
名所めぐりや観光旅行には縁がないようです。
生徒募集のための世界巡りのプランは、アドミッションスタッフ自身が
企画するのでしょうが、GOを出すのはあくまでも理事会です。
結果が出なければ、翌年はルートを変えなければいけません。
それでも結果がでなければ、その学校に残ることが危ぶまれるでしょう。
彼らの世界旅行は、生徒獲得というプレッシャーとの戦いです。
私が親しくしているあるボーディングスクールのディレクターオブ
アドミッションは、スシが大好きです。
来日時の多忙なスケジュールは承知しているので、昼間でなく、
夜にスシレストランに彼と出かけて、ボーディングスクールの実情を話します。
このような機会が、学校訪問と共に私の
ボーディングスクール情報を支えてくれています。
日本の美味しいスシを食べ、旅のプレッシャーからしばし解放されて、
教育について語るのは、お互いの喜びです。
彼らと話していると、世界は絶え間なく鼓動していると感じます。
そのなかで、果たして日本の教育は特に、初等、中等教育は、
世界の動きに対して、そこで学ぶ生徒たちに何を望み、
何をさせようとしているでしょうか。
私はボーディングスクールのアドミッションスタッフたちと同様に、
日本の生徒や親を連れて、ボーディングスクールという世界を
旅することに教育の一隅を照らす光を見いだせたらと思っています。
於:シカゴオヘア国際空港