大学への道 - ボーディングスクール留学
日本での受験の現実をボーディングスクールで学ぶ生徒や先生が聞いたらさぞ驚愕することでしょう。かれらは即座に質問します、「スポーツは必須ではないのか」、「ジュクやヨビコーはなぜ必要なのか」、「学校の授業を1年早めるとどのような効果があるのか」、「スポーツをなぜ最後まで行わないのか」、「音楽、アート、演劇などは、それほど盛んではないのか」、「生徒は満足して勉強しているのか」など、おそらく学校が目指している生徒像とその実践について質問が集中すると思います。
ボーディングスクールの場合、スポーツや学校活動は最後の年になっても本人が主体的に行います。参加の程度を決定するのは、監督ではありません。あくまでも選手である本人が責任を持って決めます。一軍の選手として残れば、受験状況に関係なく遠征もありますし、試合に出場しなければなりません。受験の状況と調整をするのは、あくまでも本人に他なりません。スポーツだけでなく、学校活動も最終学年はリーダーシップ教育として、いろいろな活動の責任ある立場に生徒たちは置かれますから、それらを最後まで全うする必要があります。
受験があるからということでボーディングスクールの最上級生は何も優遇されないといっていいと思います。
更には、合格発表後も学校生活は通常通り行われますし、最終学年の最後の学期を終えたあとに確定した成績結果を合格校に提出する義務が生徒に課せられます。もしそこでF、Dを取れば、合格取り消しもあり得るのです。ボーディングスクールや大学が生徒に期待するのは、学業や個性そして特性はもちろんですが、自分を正確にコントロールする力、タイムマネジメントなどが必須であることが解ります。
専門的な知識がどれだけあっても、それを使うのは本人です。もし、知っているだけで使わないのであれば、それは宝の持ち腐れです。日本のテレビでは、クイズ番組で知っていることがとても評価されますが、アメリカの社会では、知っているだけで使えなければそれは役に立たないという認識が社会全体に日本よりもあると思います。
故に、学年が上がれば上がるほど、勉強量とその質が高くなり、社会に出た時に困らないような勉強を実践していくのだと思います。
日本式とアメリカ式大学受験とそれに至る道、どちらが良い、悪いということではありません。現代は、どちらを「自分」が選択するかが問われています。