Indian Mountain School(IMS)、Rectory School訪問 8
<先日のブログに続きます>
やる気を開花させるというのは、教育の世界での永遠のテーマと思います。
先日のブログで紹介したクロスカントリーでのMIP(Most Improved Player)を獲得したIMSへの留学生は、本人が一番驚いたのではないかと思います。もちろん、お母さんも本人のお祖父さん、お祖母さんも涙なしでは語れないほど、MIPを喜び、称賛したことでしょう。本人の隠れていた能力、もしかすると一生誰にも発見されず、自分でも気づくことのなかった力を中学留学で見出せたこと、そのひとつをとっても留学して良かったと言えると思います。
では、学業面はどうでしょうか。やる気を開花させることができるのでしょうか。
本人にとっては、日本にいる時よりも学習面で自立できると思います。一言で言えば、やらされているということからの開放です。では、何をどのようにしてやらなければならないのでしょうか。基本的には英語学習から始まります。どうしたら、話せるようになるか。どうしたらしっかり自分の意見を言うことができるかなど、誰も教えてくれません。みな励ましてくれるだけです。You can do it. Come on.それでも、しなければ放っておかれます。
ボーディングスクールでは、受け身的な留学生活は難しくなると思います。なぜならば、前述したように、日常のこまごましたことを誰も世話してくれないからです。
ボーディングスクールの1日のスケジュールは明確に決められていますが、それをやりくりするのは、学校でも先生でもなく、生徒たち自身です。クラスの移動、授業の準備と復習、課題に対する調査、放課後のスポーツへの参加、土日の活動などは、自分で考え、サインアップして、決められた時間に決められた場所に、決められた恰好をして出向かなければなりません。
このような環境で獲得された自主性は、勉強面でも「自ら」行うことを促すのではないかと思います。日本のようにどの科目にも教科書があり、それに沿って40人程度の生徒が同じことを同じように学ぶというスタイルはボーディングスクールではありません。
その異文化への適応に3か月から半年くらいはかかるでしょうが、そこで留学生たちは実は精神的にはかなり解放されたことを実感するでしょう。加えて、学校を取り巻いている自然は、生徒たちに「ここでやるしかない」という決意をさせることでしょう。
中等教育の期間は、生徒たちの体と精神が急激に発達する時期です。その時期に、単なる知識の覚え込みだけでなく、自立の意識を精神に刷り込むことができるという意味で私は前期中等教育時期の留学をお勧めしています。