文化比較 異文化適応へのステップ2
<昨日のブログに続きます>
留学当初の混沌を経て、それぞれの留学生が自分に合った適応を求めて、模索する時期までをおおよそ昨日のブログで述べました。
同じ国の生徒同士で「つるむ」のは、世界のどの国においても見られ、日本人だけがそのような「村」を作りやすいということはありません。ともすると、日本ではよく、「日本人は・・・」という表現が見られますが、それを書いている本人が果たして世界を具体的、実践的に俯瞰したうえでそれを述べているのは疑問です。
混沌から適応へのステップを早めるためにボーディングスクールが取っている対処法として、食事の際のテーブルを変えたり、学校内での母国語の使用を禁止するなどの処置がありますが、食事の時だけ留学生をばらばらにしても、彼らはどこかで話す機会を探します。また、自国語の使用を禁止しても、そのような規制は先生が見ていない所では、守られないのが現実です。
ルールだけでは、生徒たちを縛ることができないとボーディングスクールは十分に知っていると思います。そこで生きてくるのが、生徒たちが興味を持てるようなことをやらせてみるという彼らの考え方です。
ジュニアボーディングスクールでは、この試みがとても機能しているように思います。また、留学生の年齢も若く、順応性も十分にあるため、そもそも留学生同士で固まる必要が高校としてもボーディングスクールほど切実ではありません。
その実例として、日本では体育以外は運動をしたことが無い生徒が、ジュニアボーディングスクールでは、放課後に競技スポーツに強制的に参加させられるために、たとえばクロスカントリー、ラクロス、グランドホッケーなど、日本では珍しい中学校でのスポーツに参加して、MIP(もっとも成長した選手)選ばれる生徒がたくさんいるのです。その変身に親も驚きます。
生徒を枠にはめ、テストの点数のみで評価するのではなく、彼らの意思を尊重して、運動を強制として、音楽や芸術を必須選択として、必要であれば、毎日その機会を与えるのが、ボーディングスクールの教育方法の大きな柱となっています。それによって、混沌期を終えた留学生の異文化への適応が加速されることは間違えありません。
つづく