英語力と生きる力 13 初等、中等教育の優位性
<前日のブログに続きます>
大学生以降のいわば成人の留学と高校生以下の留学とを比較してみると、そこにはいくつかの明確な違いがあります。しかし、意外と留学がひとくくりにかんがえられていて、その一般論、すなわち「留学の常識」にとらわれ過ぎて本当のことが見えない、あるいは見ようとしないのが、留学の現実かもしれません。
留学で成功する人は10人にひとりというのも中等教育留学に関して言えば、まったく事実無根です。繰り返しますが、中途帰国をする生徒は100人に1-2人です。
自己が確立していないうちに留学するのは不安ということも、ボーディングスクールの生徒管理体制を考えれば、払拭されると言っていいと思います。ジュニアボーディングスクール(5-6年生から中学校3年生までの学校)への留学で、早期英語学習のメリットを生かし、異文化でのサバイバル力を習得する。そして、自己の確立は日本の親とのコミュニケーションを取りながら、徐々に形成することも十分にできます。すなわち、留学生の精神(こころ)の発達には、家族が一体となって留学しているわが子をサポートすることも十分に考えられます。
ボーディングスクールへの留学は、日本の家族との関係が遮断されるわけではありません。どの学校でも、親子のコミュニケーションのために週末はその便宜を図ってくれます。また、イギリスやスイスの小学校、中学校の留学生が母国語を忘れないように、個人教授の手配をしたり、毎週決められた時間にそのクラスを持ったりもしています。
成人でも中高生でも、留学後の周囲の日本人との関係がとても大切です。成人の場合は、放課後はほぼ自由時間となるため、日本人と一緒に行動することも多くなりがちで、気が付いてみると、学校の授業以外では、驚くほど日本語生活になってしまっているなどというのも現実です。
高校以下の留学の場合、ボーディングスクールにおいては、ウィークデイの日課はほぼ決められていますから、日本人と一緒に過ごせる時間は、昼食時、夕食時などとても限定されています。また、年齢的にも異質なものを受け入れることにも抵抗がなく、好奇心も旺盛ですから、生活に慣れるという点でも成人よりは、数倍時間が短縮できます。
中学、高校留学は大学生以降の留学生の数から比べると、圧倒的に少ないと思います。単身で行くボーディングスクール留学に限って言えば、その数は1年間、日本全国で1000名に満たないのが現実です。
この数字の示すところですが、ボーディングスクールへの留学には、絶好の機会ではないかと私は考えます。