留学から帰国する生徒の受け入れ 4 単位についての再考
<前日のブログに続きます>
後期中等教育、すなわち日本の基準で言えば高校生の時期に海外で教育を受けた生徒の日本の学校への入学について述べています。4回目となる今日のブログは、高校での履修単位について前回よりもさらに詳しく追及したいと思います。
その理由ですが、英語圏の日本の高校に相当する時期の学習システムを俯瞰した場合、記憶から応用へと学習目的が大きく変化するなかで、単位の内容が日本とはそもそも違います。そのことはすでにこのシリーズのブログで述べました。
もし、受け入れる日本側がその「単位」にこだわるようなことがあれば、教育の本来の目的の一つである国際的な視野の拡大ということが達成できなくなります。
今回、私がお世話している生徒の学校はIBプログラムのある学校です。IBプログラムは高校時代の最後の2年間で行われます。すなわち、IBプログラムを実行する学校の9年生、10年生という日本の学校中学3年生、高校1年生に相当する学年においては、IBプログラムへの移行するための準備を各教科で行うわけですから、最初から「単位」の設定がないのです。
留学した本人は、すでに学校から前期(1st semester)を終了したのちに、成績証明書を発行されていて、後期(2nd semester)については、成績の中間報告書を学校からいただいています。日本やアメリカとは違い、その学校の成績証明書には、「単位」を示す項目はどこにもありません。
私はあえて、日本の学校の状況を現地の学校に説明し、成績証明書に「単位」を付け加えてほしい旨の連絡を考えていたのですが、それが無意味であると判断しました。
では、「単位認定」ということについてはどうしたらいいのしょうか。
現地の学校に「単位」というシステムがないことを成績証明書とともに正式に記述してもらい、それをもって日本の高校に受け入れてもらうことにしたく思っています。もし、日本の学校が「単位がないのであれば、認められない」というのであれば、残念ながら、世界の教育の流れのなかで取り残されていくしかないと思います。私は「単位」ということを論点として議論するつもりはありません。
海外で1年間何を勉強したかを直接、本人に確認して、それを裏付ける書類が出るのであれば、本人の1年間の海外における学習活動そのものが日本で言うところの単位に相当すると確信します。