日曜コラム 長男のサマースクールの思い出
最近スカイプインタビューで帰宅が11時を過ぎることがしばしばあります。
すでにアメリカではサマーデイライトセービングが始まっていますから、
日本と東海岸との時差は13時間です。
現地が午前8時の時、日本は同日午後9時です。
インタビューに30-40分程度、それから親からの質疑応答をしますから、
2校のインタビューを済ませると帰宅は11時を過ぎます。
生徒たちと夜遅くまでいるので、私も自分の息子が留学した時のことを、
ふと思い出し、家内とその話をしました。
― 隆一(長男です)が初めてサマースクールに行ったときのこと、思い出すよ。小六の時。到着、真夜中だったけど、現地に電話して、確認できて安心したよ。
「わが子を思う親の気持ちは皆同じ。無事が確認できるまで不安だよね」
― そうだね。『あとは、学校が面倒見てくれる。これからは、隆一次第だ』なんて話したね。
「隆一は勉強、すきじゃないけど、どこでも生きていけるでしょう。スイスでのサマースクール、あの子の初めての試練だったわりには、英語が全くわからなくても、問題なかったわね。私は雪国での冬の間の閉ざされた生活が厭で、早くに家を出て自立し、あなたも2年間の留学経験があるから、『隆一もしっかりやるでしょ』なんて言ったわよね」
― 時が経つのは早い。しかし、あの時の隆一は、私たちの心のなかにそのままいる。そんな思いがあるから、私はいつまででも子どもたちと接する仕事をしていたい。
「男の人はいいわよね。仕事とロマンを勝手に結びつけられてね。勉強は得意でなくてもホームシックなどないように育てたのはワタシですからね。子育ての大変さわかる。あれもこれもしなくっちゃなんて、子育てしながら大変な時期もあったのよ」
― 感謝してます。隆一も雄紀(二男です)もしっかり自立できたのは、君の努力の成果である。
「子育てのつけはしっかり返してもらいますから。でも、子どもたちにとってこれからは、『お父さん』の出番かもね。社会人になったから、あなたのアドバイスが必要なこともあるでしょう。」
― いつになっても子どもは子ども、親は親だね。
長男のサマースクールへの参加は、私のコンサルティングの転機になりました。
親が子どもに対していだく問題の本質を「感じること」ができました。
言葉で説明するのは難しいのです。
その気持ちに時として親は客観性を失うこともあります。
それが理解できたことが、私自身にとっての発見と言えました。
ことしもたくさんの子どもたちがサマースクールへと出かけます。
彼らの無事到着をしっかり管理したいと思います。