日曜コラム 都会の深夜と早朝
年に数回のことですが、生徒のスカイプインタビューの立会いで、
深夜までオフィスにいるので、会社近くのホテルに宿泊します。
インタビューが急遽決まり、宿泊予約を取ろうと千代田区にある
いくつかのホテルに電話をすると、みな満室で予約ができません。
さすがに東京、景気がパッとしていなくても、多くの人をこの都会は、
飲み込んでいるようです。
スカイプインタビューが終わるのは、いつものことですが、
深夜12時を過ぎます。緊張のインタビューを終えて、ほっとしている
親子とお別れして、ナップサックとビジネスバッグを提げて、
人気のない神田、神保町界隈をてくてくと歩いてホテルに向かいます。
昼間の喧騒とは打って変わって、さすがに行き交う人もなく、
学生街として、日本のカルチェラタンと言われている通りも、
静まり返っています。
それでも、ポツリ、ポツリと早朝まで営業している焼鳥屋さんや、
バーなどの明かりが舗装道路を明るくしてくれます。
英語圏のホテルに比べると、日本のホテルの接客はどこでも五つ星級です。
フロントの人たちの言葉使いも笑顔も速さも日本のホテルは、
英語圏のホテルよりもその質が高く、私はいつも感心しています。
今、かなり伸びている都市型ビジネスホテルに今回は宿泊したのですが、
朝、おにぎりを主にした食堂に行ってみると、狭いスペースの多くを
独占していたのは、中国人と思しき人たちのグループでした。
場所が狭く、窮屈で、通りに面したところで外に向けておにぎりを
売ってもいるので、朝食を終えるのにかなりの時間がかかりました。
飛び交う中国語、待ち時間の長さ、そして場所の狭さなど、
ビジネスホテルでの朝食は、落ち着けません。
午前8時ころの千代田区は、驚くほどに静まり返っていました。
あと30分もすれば、人も車もどっと道にあふれ出すのですが、
その前の静けさは、天気の良さも相まってこの時期、
さわやかな気分をより爽快にしてくれます。
たまには、都会の深夜と早朝を歩くのもいいものです。
誰もいないオフィスの電気をつけ、パソコンを立ち上げて、
いつものルーティーンに取りかかりました。
そして、昼、いつものように皇居をジョギングしようと、
運動着に着替えて外に出ると、そこには多くの人と車の行き交う
いつもの都会の姿がありました。