プラス思考の教育 5
やったことのないことを始めるとき、誰でも勇気が必要です。また、「どうせだめ」、「無理」などというマイナス思考癖と戦わなくてはなりません。もし、今までの習慣がマイナス思考だとすれば、それを変えなくてはいけません。ボーディングスクールでの生活は、マイナス思考を覆す絶好の機会を留学生に与えてくれると思います。
今までの基準で言えば、なるべく変化がないこと、そのなかで安定的に与えられた勉強をして、その成果を試験の結果で示すということになります。新しいことへのチャレンジは必須ではありません。好むと好まざるとにかかわらず、勉強は与えられます。そして、やるべきことは決まっています。それらを、無難にこなしさえすれば、間違えはありません。
ボーディングスクールはその概念を根底から覆すといっていいと思います。
驚きかもしれませんが、99%の日本人留学生がボーディングスクールでの新たな生活に上手に適応することができます。今まで、スポーツにそれほど興味のなかった生徒が、グランドホッケーやラクロスなどにチャレンジするようになります。日本では、やったことのない陶器制作や、写真などに興味を持ち、ろくろを回したり、気に入った風景を見つけにキャンパスを歩き回るようにもなります。楽器、コーラス、ボランティア活動などに新鮮な興味を持つ生徒も出てきます。
無理とかどうせだめという前提を留学生たちは捨てるようになります。
要するにプラス思考という斬新な考え方を子どもたちが持ってほしいという提案にボーディングスクールは積極的なのです。日本の場合、小学、中学、高校の教育というのは、暗記中心、覚えることが中心になっています。どれだけのことを覚えていて、それを忠実に確認できるかということが学力評価の基準です。ところが、ボーディングスクールの世界では、すでに小学、中学校の頃から、「君の意見」が明確に問われ、その発表に至る経緯が重視され、そのための教育が実施されています。
そのために、ITデバイスをボーディングスクールでは積極的に取り入れています。9年生からのボーディングスクールでは、生徒一人ひとりにパソコンを持たせるのはほぼ必須と言えます。先生とのやり取り、宿題の提出、学校からの連絡事項、そして成績も本人のアカウントを通じて行われます。
日本での学校生活では考えられないITの活用は、そうすることで生徒たちが学習外のことを行う時間を増やし、プラス思考という考え方を身につけるために大いに役立つと思います。