プラス思考の教育 3
ボーディングスクールでは春休みの季節を迎えています。続々と生徒が帰国しています。彼らから留学の現実を聞くのは、私にとって楽しく、instructiveな貴重な時間です。
さて、昨日のスポーツに続いて、音楽、芸術面でのボーディングスクールのプラス思考的取り組みを考えてみたいと思います。
新たなチャレンジを生徒にさせるきっかけとして、音楽、絵画、陶芸、演劇、ミュージカル、写真、工作などは絶好の素材です。「今までやってないから」ということは、自分の部屋に閉じこもっている理由にはなりません。これらのことは必須ではないものの放課後から就寝までをスケジュールされているボーディングスクールの生徒としては、何かを新たにしなければ、好むと好まざるとにかかわらず、スポーツをやらざるを得なくなります。
豊富な選択肢から、自分で決めることがボーディングスクールの原則ですが、「待ち」の姿勢では、自分の不本意にことが進んでも文句が言えません。Just do it!ということで、新たなことを試してみるという子どもたちの姿勢をボーディングスクールの先生たちは尊重します。
たとえそれが稚拙であってもbetter than nothingです。また、諦めさえしなければ、必ずそこから学ぶことができます。それを先生が応援してくれます。先生たちは80%くらいがキャンパス内に住み、生徒たちと日々の生活を共にしています。
プラス思考は、それを強く望む人であっても、本を読み知識を得ることと、それを実践できるかどうかは別問題です。今までの習慣を断ち切るという作業がどれだけ大変なことかは、大人であれば誰でも経験することです。しかし、10代前半の子どもたちにそれを教えることは、意外と簡単なことかもしれません。それを教える人たちが、それを信じ、実践しているのであれば、柔軟で適応力のある生徒たちにとって、素早く吸収できる概念ではないでしょうか。
ボーディングスクール訪問の際、施設案内をする生徒たちや、アドミッションのスタッフは必ず日本からの訪問者を歓迎するだけでなく、好きなスポーツや芸術、音楽などの活動の程度を聞きます。
それに対して、ほとんどの日本からの訪問者は、「ない」を連発します。私はそんな時、反射的に残念に思いますが、そのような生徒たちの2-3年後の変貌を長年経験すると、「ない」を余裕で受け入れられるようになります。
それも、私のボーディングスクールから学んだプラス思考の一部かも知れません。