プラス思考の教育 2
教育的プラス思考は、好きなことを自分が納得できるまで追求するところから生まれると考えるのがボーディングスクールの基本姿勢です。
学業においては能力別、学校生活全般で、全く新しいことへのゼロからの挑戦であっても大いに奨励されるボーディングスクールにおいては、何でもいいほうに捉えて、マイナス的思考に陥らせないという工夫もなされているのかしれません。
能力別クラス編成などというと、差別化が問題にされるのが日本の学校文化ですが、たとえば能力別クラスとしてのESL(留学生のための英語クラス)を考えてみると、初級、中級、上級というように分けなければ、クラス自体が成り立ちません。意欲はあるが英語が理解できない日本で教育を受けた9年生と6年生から8年生までをインターナショナルスクールや、ジュニアボーディングスクールで過ごした生徒と同じEnglishのクラスで授業が進められるわけがありません。能力別クラス編成が可能なのは、その人数が15名以下と少数だからであると思います。
スポーツの分野においてもプラス思考は健在です。野球を例にとって日米の違いを説明します。日本の場合、目指すは甲子園ということで、日本の高校はそれを目指して野球部員は一所懸命に努力をします。しかし、宿願の甲子園を果たしてもベンチ入りできるのは十数人です。他の部員はプレーに参加できません。野球部員でありながら、野球ができない。そして、それが3年間も続くことも日本のスポーツクラブ活動では当たり前です。
ボーディングスクールの場合、チームを複数作ります。野球が好きなのだから、野球をやらせるのが彼らの当たり前です。人気のあるバスケットボールでは、4チームある学校も珍しくありません。4番目のチームは初心者によって構成されています。このシステムがあるので、ボーディングスクールではあらかなことへのチャレンジが可能なのです。
いくらスポーツが好きでも、プロとしてやっていける人はごく一部です。しかし、スポーツを通じて、私たちは多くを学びます。勝つこと、負けることの意味、不断の努力と結果の相関性、チームメイトとの信頼、そして対戦相手とのライバル心と友情など、スポーツを通じて、子どもたちは体とこころを成長させるとボーディングスクールは信じています。
それを心から信じて疑わないボーディングスクールの先生兼コーチの人々は、自らもスポーツを楽しめるプラス思考の人たちなのでしょう。