教育のパラダイムシフト 8
<前日のブログに続きます>
ボーディングスクール教育とグローバル時代の価値観について考えています。新しいことへの挑戦-不慣れでもいい、やったことが無くてもいい、果敢にチャレンジするその気持ちと行いを尊重するのが、ボーディングスクールです。
ボーディングスクールの先生たちは、「想像力は知識よりも重要」と考えていると思います。日本ではまだ、正解は一つ、間違えを犯さないための徹底した訓練というのが、初等、中等教育においては主流となっているのではないでしょうか。しかし、ボーディングスクールでは、正解は複数あり、自分が伸びていくためには、間違えから学ばなければならないことを教えていると思います。それ故に、クラスではディスカッションが重視され、お互いの意見交換のなかで、自分を高める訓練が行われているように思います。
では、ボーディングスクールでは知識はどのようにして学ばれるのでしょうか。また、基礎的な反復学習はどのように考えられているのでしょうか。
おそらく知っていなければならないことがらが英語圏においては、試験の対象として重視されないのではないかと思います。知っているだけでは、その知識は社会に出た時に使えるものではありません。それよりも、なぜ、そのようなことが起こったのかということを考え、議論したほうがより実用的です。
また、「もし~であれば」などという議論や、「もし、私が~であれば、こうする」などを考えるほうが、より生徒にとっては興味の持てるものになるでしょう。日本では、そのような教育はすべて大学に預けられてしまっているのではないかと思います。その理由は、「入試に関係ないから」です。
日本の場合、公平に生徒を選別するために、「考え方」や「アプローチの方法」を問うよりも、単純に知っているかいないかを問うのではないかと思います。小さい時から、そのような方法で、地道に知識を蓄えることが、日本のエリートへの道の王道です。故に、正解は一つであり、それを「間違えなく」当てるための教育がおこなわれているのではないでしょうか。
日本ではそのような教育が明治以来、培われてきました。したがって、いまさらながらに、そのシステムを思考重視、考え方の尊重、複数の見解もありなどという試験形態に修正するほうがおかしいのではないかと思います。