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イギリスボーディングスクールの伝統 成績別クラス

昨日に続き、イギリスのボーディングスクールでの教育について述べたいと思います。情報源は昨日と同じわが子をボーディングスクールに入学させたイギリス在住25年のお母さんです。
イギリスのボーディングスクールではクラス編成は基本的に能力別に行われます。成績の良い順からクラスが構成されます。それでも生徒が悪びれる様子や親からの深刻かつ執拗なクレームがほとんどなく、ボーディングスクールが機能しています。
ここで、昨日の「The Other Half」という考え方をもう一度、考えてみたいと思います。すなわち、学業は半分で、あとの半分は、学業以外の能力や興味あるいは好奇心まで含めてそれを熱心に追求するというのが、The Other Halfの意味です。そこにボーディングスクールは価値観を見出しています。その言葉どおりに、The Other Halfにおいて生徒を、学業と同じように認めて応援するということが徹底されているのではないかと思います。
たとえば、スポーツという観点から生徒指導を考えると、それぞれの生徒資質を伸ばすために、そしてそれを勝利結びつけるために、能力別のチーム編成は必須です。1軍、2軍というようにそれぞれの生徒のレベルにあったチーム編成やグループ編成は当然のこととみなされます。そのなかで、努力を怠らずに熱心に意欲を持って練習を続けた生徒には、昇進の機会が当然のことながら与えられます。また、先天的な能力やセンスがあっても、努力を怠り、チームやゲームへの愛情や協調を持たない生徒は、当然のことながら、コンスタントな努力と意欲を持った生徒にその席を譲ることになります。
さらには、アート分野においてはどうでしょうか。生徒一人ひとりに必ず好きなこと、好きなもの、すなおに興味を持てること、熱中できることがあります。絵画、音楽、ダンス、工作(木工、金属、粘土)、写真、社会活動、ボランティア活動、スピーチなどなど。
ボーディングスクールで学ぶ生徒たちは、まだそれで「食べていく」などと考えるほどの年ではありません。
普段の学校生活プラス、放課後まで勉強詰めでは、自分の可能性を考える時間やそれも試す時間は限られています。もしThe Other Halfを学校という組織全体が理念として考えるなら、子どもたちをその気にさせるのは、難しくはないでしょう。その実践がイギリスボーディングスクールにはあると思います。

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