サマースクール 英語力への期待
サマースクールに参加することで得られるものは、異文化に対する興味であって、英語力そのものではありません。もし、英語力を強化する目的であるならば、英語圏のサマースクールは、その内容からして、期待できないものとなってしまう可能性が高いと思います。
留学生を受け入れることのできるサマースクールは、基本的に参加者の英語力が問われることはありません。長期留学の場合とは異なり、午前中は英語学習、午後アクティビティーという内容であるので、読み書きを中心としたアカデミックな内容の授業ではなく、参加者の英語レベルを2-3段階に分けて、いずれのクラスでも英語に親しむ、英語に慣れるための授業が行われます。
スイスのサマースクールやアメリカのジュニアボーディングスクールのサマースクールでは、小学校の高学年からの参加が可能ですが、参加者が英語を話せる必要はありません。では、どのようにして授業が進められるかというと、絵画、音楽、などを多用して、英語によるコミュニケーションの基本を学ばせるというものです。そして、午後はスポーツ、音楽、芸術活動などいくつかの選択肢を自分で選び参加するということになります。
夕食が終わると、生徒たちには自由時間が与えられるか、あるいは夜のアクティビティー、たとえばダンスパーティーや映画鑑賞などがあり、午後10時には就寝となります。
知識を重んじる日本式の勉強から離れて、与えられるものではなく、自ら考える、あるいは自ら問う、行う式の英語圏の教育の基本をサマースクールで学ぶことの学習効果は今までの勉強の概念を変えるような力をその参加者に与える機会を作ってくれるかもしれません。
そこで必要なのは、新しいものにチャレンジする精神と好奇心と言えると思います。待っていても先生から何が与えられるものでもなく、基本的には英語が話せる、話せないにかかわらず、自分を表現する必要がありますが、与えられた知識を詰め込む必要はありません。