アメリカボーディングスクール ♯3 夏休みの過ごし方
<先週木曜日のブログに続きます>
日本では受験を控えた高校生がボランティア活動への参加を積極的に行うことは一般的ではありませんが、アメリカの受験においては、それが自然であり総合的に受験対策の一環として考えられていると思います。
今年の夏休みでの具体的な例を挙げると、ある11年生になる生徒は、日本に帰国して海外からやって来る10代の生徒の日本での短期研修プログラムのサポートをするというボランティア活動に参加中です。SAT対策のための集中講義を受ける一方で空いた時間にボランティア活動を行うのは、アメリカの大学に出願する際、そのような経験が受け入れ側にとってプラス評価になるからという事情もありますが、この経験が単なる受験対策の枠を超えて、本人の人間的成長に寄与すると思います。おそらく、彼の親は、受験対策以上に彼が主体的にボランティアを今夏選択したことに人間的成長を実感していることでしょう。
もう一つの例として、9年生から10年生になろうとしている生徒の親から夏休みのボランティア活動についての相談がありました。日本の高校一年にあたる10年生の夏休み、TOEFL、SATなどの英語力強化への取り組みは十分に理解できるものの本人をやる気にさせる方法として、ボランティア活動という社会への貢献があると考えたわけです。「甘くない社会」を自身で確認することで、自分がどのようにして近い将来、社会参加をするかを少しでも認識してほしいということでしょう。
生き方の選択は、早ければ早いほど、多く、多岐にわたり、失敗してもやり直せますし、その度に人間的成長が可能です。
ボーディングスクールの夏休みは3か月あります。日本の中等教育の学校文化ではこのような長期休みの発想はあり得ないと思います。もし、あるとすれば、当然のことながら、学校が主体となった半ば強制的な学習オプションが用意されるでしょう。結局、生徒たちは限定された勉強という日常から夏休みでさえも解放されることはありません。
つづく