留学適齢期を考える-5
<土曜日のブログに続きます>
小学校から留学すれば、言葉の学習はかなりのスピードで習得できることは間違えありませんが、母国語とその文化をどのようにして維持するかという問題も生じます。親子で留学すれば、良い結果がでるかといえば、その現実、実態はお母さんと子どもの語学習得スピードと順応性に大きな差が生じるために、そのギャップを埋めることにかなりのエネルギーを使わなければならず、また小学校の教育方法が日本のそれよりもかなり学習密度が薄く、大雑把であるところが、親の納得を得られないものとなる可能性も大です。
小学校からの留学では、学校の選定がとても大きな要素になると思います。特に、勉強の内容のみならず、生活習慣、しつけ、土日の過ごし方など、子どもたちの価値観に大きな影響をあたえる精神面での教育が重要ではないかと思います。
では、小学校でありながらも世界から留学生を受け入れている学校とは、どのような教育理念を持ち、知育、徳育、体育などを預かった子どもたちに実践していくのでしょうか。その答えは、小学校留学の場合、かなりの部分、親が握っていると私は考えています。
まずは、学校の選定のために各校を訪問して、学校の立地、授業の風景、先生や生徒の学校での様子、留学担当者の教育と寮生活に対する考え方、生徒指導の方針を確認します。いずれにしても、母国語の教育が不十分になるので、冬休み、夏休みなどは、それを補う工夫をしなければなりません。そうすることで、小学校留学はなりたつのではないかと思います。
日本では一般的には、中等教育時代の留学は時期尚早と考えられていると私は「留学適齢期を考える」というテーマの今回のブログで述べました。ヨーロッパやアジアの大陸にある国々とは違い、日本は陸続きの国がなく、戦後教育は、経済発展のために多くの時間が割かれていたために、異文化理解や自己主張ということへの取り組みがかなり欠落しているように思えます。そのような教育的バックグラウンドをもって、小学校からの留学に望むことは、親子共々、相当なエネルギーや知恵を必要とします。
留学適齢期を考えるにあたり、特定の年齢あるいは時期といった絶対要素はありません。
小学校時代は親子が一緒に過ごし、中学校になった時に留学するか、あるいは、中学校までのいわゆる義務教育を終了してから留学するか。さらには、小学校の4年生くらいから、世界のボーディングスクールを見て回り、信頼できる学校に小学校時代から子どもを預けるか。
いずれの選択であっても、この時代においては、海外の教育機関で1年以上の経験をすることが、本人の将来に大きな影響を及ぼすことは間違えありません。