留学コンシェルジュ

親子留学について その1

親子留学のメリット、デメリットについて考えてみたいと思うのですが、そのきっかけは親子留学から単身留学へとわが子の進路を変えたあるお母さんから直接話を聞く機会を得たことにあります。
親子留学を決断するにあたり、わが子が英語を話せるようになることがお母さんの切なる望みであったそうです。ところが息子さん(当時10歳)と娘さん(当時4歳)をつれてオーストラリアで2年間過ごしてみると、子どもたちは英語が話せるようにはなったものの学業に関してはお母さん自身が納得する結果ではないということです。
納得しない理由は、テストの点数が低いとか成績が悪いという具体的なことよりはむしろ学校での学習内容そのものにあるようです。日本に比べれば、宿題はとても少なく、学習の内容もその質が高いとは思えません。このまま親子で留学を継続したとしても、学力という点から先行きを考えると、難関の中等教育機関へ進学し、世界が注目するような大学へ入学することは到底できないということが容易に想像できるのだそうです。
英語習得という目的のために家族が別れて生活すると経費もかなりかかります。子どもたちの通う私立学校の授業料は日本円換算で一人200万円以上するそうです。また、オーストラリアは広い国ですから、生活の足として車は絶対に必要です。親子3人が現地で暮らすための生活インフラを整えると、その費用がかさむことは明らかです。塾や家庭教師という文化が英語圏にはありませんし、小学校での学習は概して日本のほうが、覚える範囲も内容も大きいようです。
お母さんの誤算は子どもたちの現地での学習の量と質にありました。これだけの費用と労力をかけた割には、子どもたちが英語の読み書きに堪能になってはいなく、数学のレベルは低い。現地での学習成果が見えません。
子どもたちからしてみれば、わが家に帰ってくれば、日本よりも快適です。気候は良く、日本のように生活空間が狭くはありません。そして何よりも、塾も家庭教師もありません。お母さんの「勉強しなさい」をうまくかわしてさえいれば、とても快適な生活です。
子どもたちは、学校では英語を自宅では日本語を話すことに、頭のスイッチを切り替えることは容易にできるでしょうが、外界との付き合いがそれほどないお母さんは、当然のことながら英語習得は子どもたちのようにはいきません。それでも学校での親の役割や日常の決まりごとはこなさなければなりませんから、心労もあります。
つづく

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