TOEFLについて
TOEFLとは本来アメリカの大学に入学を希望する留学生の英語力を計るために作られた試験ですが、70年代に使われ始めてから2回の大きな変化を経て現在に至っています。
2回の変化は現場の人たちからもたらされたといわれています。すなわち、最初のリスニング、文法語法、長文読解との3部門の試験で高得点をあげた生徒が大学に入学した際、その英語知識が実践に生かされず、TOEFLの高得点を信頼して、留学生を受け入れた大学から多くのクレームが出てきたそうです。
英語を母国語とする人たちが作ったテストが英語を外国語とする人たちの英語力を適切に計ることが出来なかったわけです。あるいは、時代の潮流として、ペーパーベースという考え方からコンピュータベースとなり、次世代のCBT(Computer based TOEFL)に生まれ変わったのかも知れません。それに伴い初代のPBT(Paper based TOEFL)の点数のつけ方も変わりました。PBTの時は688点が満点と言われていましたが、CBTになると300点が満点になりました。このCBTTOEFLは更に発展してIBT(Internet based TOEFL)になり、現在に至っています。IBT TOEFLは満点が120点です。初代のTOEFLに比較すると点数表示もシンプルになりました。
日本の大学入の英語は、大学が生まれた明治時代から現在に至るまでTOEFLのように劇的な変化はないように思えます。
TOEFLにおける変化の最大の要点は、英語知識を単純に問う形の試験から、考えをまとめるという方向に変化したことです。ですから、現在のTOEFLにおいては、文法理解や単語知識を問う問題がすっかりなくなっています。長文読解においては、その文章の主旨、意図が問われ、スピーキングにしても、与えられた課題の文章を理解してから、自分の意見を述べるなど、大学生のレベルで英語を使いこなせるかどうかを試す工夫がうまく試験に反映されています。
一方の日本の入試においては、受験対策の英語の上級編の問題集を見れば明らかですが、あまり知っていても実用的でないか、例外的知識を問うものが多くあります。これでは、明らかに勉強する側がうんざりしてしまうと思います。なぜならば、知っているだけで、それを使うことなど大変まれであるわけですから。
さて、そのTOEFLがボーディングスクールの入試に使われています。入学難易度の極めて高いテンスクールズともなると、難関大学なみの100点(満点120点)以上のスコアが当たり前になっています。
それだけあれば英語力は十分でしょう。
英語力を計るのに汎用性の高いTOEFLIBTが日本の大学入試にも採用されてはどうかと私は常々考えています。