奨学金と授業料 ボーディングスクール留学
北米のボーディングスクールを網羅したインターネットサイト、Boarding School Reviewには、各校の奨学金支給率(全体に占める受給者の割合)が示されています。いずれの学校も30%以上の生徒に奨学金を出しています。成績やスポーツ、音楽、芸術の分野で顕著な実績のある生徒で、奨学金を必要とする生徒に対して、学校は理事会等で審査して奨学金を支給します。しかし、自国の生徒(Domestic Student)に比べると留学生が奨学金を受けることは、とても低いのが現実です。
この現状は、中学、高校としてのボーディングスクールだけでなく、高等教育機関である大学でも同様なことが言えると思います。
ボーディングスクールで奨学金を受けた日本人生徒は、私がお世話した範囲では、2名(男子生徒、女子生徒)いました。それぞれの生徒が別の学校でしたが、両者とも学業成績がとても良く(GPA3.7程度)、努力を惜しまず、スポーツにも熱心に取り組み、学校では人気者と言えました。親からの依頼で、留学して3年目の契約更新時に奨学金受給の申し込みをしました。奨学金申込書には、なぜ奨学金が必要かということを説明するために、親の年収や資産なども記入することになります。
2名共に奨学金の額は5000ドルでした。授業料(寮費、食事を含みます)の全額が支給される生徒は自国の生徒であってもそれほど多くはないと思います。
ボーディングスクールの年間経費の総額は留学生の場合60,000ドルを越えますから、日本の私立中学、高校と比較すると4、5倍となります。更に、授業料は毎年2-3%ずつ値上がりしています。日本の年間平均所得を上回りそうなこの金額は、現在の円安ともあいまって、親には相当の経済的負担を強いるものです。
その支払いは一括払いが基本で、9月入学の場合、4月に5000ドルから10000ドルの授業料の一部金額の支払そして7月に残りを支払います。
2回に分ける場合は、授業料保険(後期授業料未払いを担保するもの)への加入が必須となり、2000ドル前後の費用負担となります。1回目の支払は7月、2回目は11月末までに支払います。
それ以外に、10回の分割払いも多くのボーディングスクールで導入されていますが、これは、第三者機関が学校に授業を支払い、親はその会社にクレジットカードによる自動引き落としで授業料を10回に分けて支払うものです。
ボーディングスクールに留学する場合、留学生が初年度に奨学金を獲得するケースはほとんど期待できませんが、2年目以降であれば、5000ドルほどの奨学金を獲得することは、日本からの勤勉で努力を惜しまない生徒であれば、獲得できる可能性はあると言えます。