留学コンシェルジュ

日本の高校生の英語力

一年に一度、日本のある私立高校の1年生、留学クラスの生徒たちを対象に英語でインタビューをします。今年の人数は23名、そのうちの19名が女子でした。彼らは2015年の1月にニュージーランドに向けて1年間の留学をスタートします。
普段、日本の一般的な高校生と接する機会のない私にとって、彼らの学校を訪問し、インタビューをすることは特別な意味を持っています。すなわち、普通の高校生諸君の英語力や考え方、そして保護者の皆さんの留学に対する考えまでもが知れる絶好の機会なのです。私の役割は英語での彼らへのインタビューです。時間は10分ほどです。その中で私は彼らの英語力に応じて、質問肢を変えます。そうしないと、英語でのコミュニケーションにならないからです。
23名中、英語での双方向のコミュニケーションがほぼ成立したのは、9名でした。私の質問の内容は以下のようにまとめることができます。
① What is your name?
② Why do you like to study in a high school in English speaking country?
③ How many people are there in your family?
④ What is your father (mother)?
⑤ Please tell me the name of your school you are going to study?
⑥ What is your dream?
最初の質問①に答えられない生徒はいません。しかし、入室して、初めからHello, How are you? My name is Katsu Saito. What is your name? と私は日本語を全く使いませんから、彼らは、一瞬戸惑います。その戸惑いが続く生徒は英語が話せません。おそらく真剣に、絶対に英語で話したいとも思わないのでしょう。では、なぜそれでも、1年間留学は初めから決められている学校に入学をしてきたのかという理屈になるわけです。
しかしながら、率直に言って、私はそのような突っ込みをする役割ではありませんから、戸惑う生徒には、②の質問をDo you like to study English? And what?などと、彼らが戸惑わなくてもいい質問にスイッチします。そうでないと彼らとのコミュニケーションが成立しません。成立しなければ、私は単なる英語を話すマシンと化してしまいます。それは、相手の生徒も、同席したお母さん、お父さん、そしてそのクラスを担当する先生も望むところではありません。
インタビューも場数をこなすと、最初の30秒程度の生徒との会話で彼女ら(彼ら)の英語力をおおよそ判定することができます。そして次の5分ほどで、彼らの性格、家族の状況などもおぼろげながら見えてきます。それが当たっているか否かは別ですが、ボーディングスクールのアドミッションスタッフも同様に感じているでしょう。
(つづく)

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