その2 英語習得への道筋 ボーディングスクール留学
<先日のブログに続きます>
留学生を教える立場の先生からすると、日本からの留学生たちの評判はとてもいいのです。彼らはおおよそ礼儀正しく(polite)、勤勉(Hard worker)で、いつもスマイルなのです。勉強と関係ない性格的なことですが、異文化と接する中でとても大切な性格的要素です。
さて、評判の良い日本人留学生たちですが、1年目を終えてもいわゆる三単現のSがまだ欠落し、不規則動詞の過去形のスペリングが完全ではなく、そんな状態では、とても現在完了形(present perfect)まで教えられないというのがESL教師の本音です。
日本の英語教育では考えられないことなのですが、留学生たちは英文法の知識は初級でも、英作文の基本となくトピックセンテンスを作り方、それを説明する段落の書き方、そして結論を述べるという基本はすでに学んでいます。
このような状況で留学生の2年目、そのやる気に火をつけるのが日本式英文法学習法です。留学生たちは実は日常のなかで、現在完了形、不定詞、動名詞、関係代名詞、仮定法などを使っているのです。しかし、使用の原理と原則を知らず、そのために感覚に頼らざるを得ません。
あるESLの先生によると、話す英語は十分であるのに書く英語がとても不十分な留学生に対する指導として、書いたものを先生が読んで本人に聞かせるのだそうです。そうすると、本人が間違えに気付くというのです。
感覚的な学習は、繰り返しの学習を経験のなかから継続していくことで、知識として定着させていきますが、時間と根気が必要です。その時間と根気を日本式の英語の理屈を教え込むことで、彼らはより早く、より正確に英語を習得できると思います。
今年の夏、私は留学して半年ほどの中学校2年生の生徒に英語を2週間にわたって教えました。文法は1週間で終わりました。その知識を本人が留学先で定着させることが出来れば、絶対に英語力は飛躍します。定着のためには、繰り返してわからないことを参照すること、わからないことをほっておかないことです。
冬休みに帰国した時、本人の英語力がどれだけ伸びているかを確認するわけですが、学校からの成績評価を楽しみに待ちたいと思います。