ハーバードに行かせよう―その4
<土曜日のブログに続きます>
海外の教育のコンサルタントとしての最も大切な仕事は、相談に来る人たちの問題を解決するための具体的な方法を示すことと私は思っています。
土曜日のブログでのあるお母さんと私の会話は、目標に到達するための最短距離をめぐっての話し合いでした。そのなかで、私が一番意識したのは、英語圏での教育がこれからの日本の未来をつくるために若い世代が大いに貢献することがあるという点です。
ハーバードに象徴される英語圏の頂点に立つアメリカの高等教育機関は、アメリカだけでなく世界から人々が集うわけで、それを選抜する側も「学力」という単一の基準では選びようがないのです。世界基準のトップランキングの大学は私立、公立を問わずオールラウンド中等教育課程修了者を選ばざるを得ないのです。
オールラウンドとは、文武両道はもちろん、それに加えて芸術や音楽、あるいは課外活動などで顕著な功績があるということです。これらをすべて達成させるためには、当然時間がかかります。さらには、バランスが取れていて、効率の良い時間の使い方をしないと勉強、スポーツ、アートに子どもたちを卓越させることは出来ません。生活のバランスを理解し、そのポテンシャルを最大限に生かすために考えられてきたのがボーディングスクールの教育です。
お母さんと私が会ったのは、昨年10月です。その時、留学予定の本人は中学校1年生でした。日本でしっかり義務教育を終えてから高校時代は海外で十分な準備をして、ハーバード大学受験に備えると考えていたお母さんですが、それでは間に合いません。高校時代になって、英語をマスターすると考えること自体は自然ですが、大学の目標が世界のトップ校となると、英語をマスターする時期は中学校時代にならざるをえません。
そして、高校時代はSAT、TOEFL対策に専念する・・・。違います。
SATとTOEFLもその基礎は中学時代に完成させるのです。では基礎とは何かですが、英語でその学年に合った小説や論説が読めて、自分の考えを英語で書けて言えることです。
日本流に言えば、TOEFL、SAT何点、平均成績何点となると思います。また、ボーディングスクール受験の際は、ランク4以上の学校であれば、TOEFLおよびSSATの最低点はあります。しかし、そのためにのみ勉強するのは、ボーディングスクール受験においては不十分です。そして、それイコール、ハーバードを目指すためにも不十分となります。
つづく