留学のための英語準備 - 中学校からの留学
中学校から留学する場合の英語の準備を日本でどのようにするかについ考えてみたいと思います。
その基本として、いわゆる英会話については、日本で準備する必要はほとんどありません。聞くこと、話すことは12歳くらいの生徒であれば、日々の留学生活を通じて急激に進歩していきます。聞けなければいけない、話さないといけないという環境が生活レベルでの語学習得に最適であることは言うまでもありません。
英語を読む力と書く力をできれば均等に鍛えるに越したことはないのですが、日本で学べる英語のうち、英作文というのは、日本語の短い文章を英語に直す作業がほとんどです。うまい表現技術を断片的に学ぶだけですから、留学のための書く力とは種類が別です。留学で必要な書く力とは、自分の意見を論理的に述べる力です。英文で自分の意見を述べるための技術は、日本では一般には教えられていません。
現地に行ってから英語作文を学ぶのがより効果的です。
読む力を徹底的に鍛えることが中学校からの留学準備では、最も重要なことです。読解力を高めるために不可欠なのが、語彙力と文法力です。この二つがうまく機能することで、英語の本などが読めるような読解力が高まっていきます。
もちろん、中学校からの留学においては、現地に行けば、ESL、ESOLなど、留学生用の英語クラスを通じて、英文を読み理解することを学ぶわけですが、英語にあって日本語にはない現在完了形という表現形式や関係代名詞、分詞、不定詞の使い方、仮定法などをESLのクラスでは、日本の英語クラスのようには順序立てて、細かく、詳しくは学びません。
もし、そのような文法的なことを留学してから学ぶ場合、文法用語や表現や概念の説明なども英語なので、留学生がそのイメージを掴むことが難しくなります。日本語でさえ退屈な「グラマー」をあえて英語で行うことは、留学生にかなりのチャレンジとなります。そのリスクをなるべく軽減するためにも日本での徹底した準備が求められます。
徹底した準備というと日本的な発想では、猛勉強して難問にも答えられる英語知識を充実させると考えられがちですが、そうではありません。
(つづく)