その2 授業の進め方 ― ニュージーランド留学
<前日のブログに続きます>
ESOLクラスで英語の基礎を学ぶだけでなく、寮生活で英語に慣れ親しんでくると授業でのコミュニケーションがある程度できるようになります。その基本は、自分の考えを述べるということであり、学習に耐えられるだけの英語力を身につけるということではありません。
学習の質を高めるために先生は留学生たちに英語で書くことを熱心に指導します。ここでも文章で自分の意見を述べることが求められます。言葉と違って、文章は消えませんから、英語で自分の意見を構成するその方法が繰り返して訓練されます。
留学生は、ジャーナルと呼ばれる日記を書くことが求められ、それをしっかり実行する生徒の文章作成力は日本にいた時に比べれば、飛躍的に伸びていくことになります。
中学1年生からの留学であれば、おおよそ半年くらいで学校生活に慣れるというのが、留学生一般の意見ですが、慣れるのは言葉だけではありません。現地の生徒たちや先生たちを理解し、彼らとうまく付き合うことに慣れるのも留学生にとってとても重要なことです。
寮生活においては、ニュージーランドの場合、7年生(11歳)~8年生は大部屋です。4人から8人くらいの生徒が同じ部屋ですがカーテンで仕切られるだけの団体生活をします。プライベートなどはほとんどなく、勉強の機会も限られています。ニュージーランド生まれの生徒たちは概して人に対する気遣いは日本人のそれと比較すると皆無といってよく、そのような人間関係に慣れていない日本人留学生は、彼らの生活態度にイラつき、悲しみ、苦しみ、怒り心頭になります。それでも耐えることを日本のお母さんたちはわが子に教えるかもしれませんが、ある時期から彼らは、現地の生徒たちに「NO」と言えるようになります。そして、自己主張、自分の意見を述べるということの基本をこのような生活のなかから学んでいくのです。
いい加減で大雑把な味付けの料理にもいつからか、寛容になれ、徐々に慣れていき、女子生徒は留学初年度で平均5キロは体重が増加します。不思議としか言えないのですが、男子生徒は留学してもほとんど体重が変わりません。
このようにして、日本人留学生の初年度は過ぎていくことになります。