お母さんの自立 - 中学・高校留学
<前日のブログに続きます>
「近くにいるとついつい手をだしてしまう・・・」というのが、わが子へのお母さんの断ち切れない意識、感情なのだと思います。客観的に冷静にわが子を見ているつもりが、どうしても口も手も出てしまうわけです。
その習慣を考え直すために中学校時代にわが子を留学させるわけではありませんが、留学してから半年ほどは、海外での生活に順応するために、わが子がとても苦労しているなかで、お母さんも眠れない日々をすごすことも多々あるようです。
親子の関係は、物理的な空間を越えて、保たれるというのが私の持論です。
お母さんが不安な気持ちになれば、それは当然のことながら本人に伝わります。反対に英語が出来なくても必ずできるようになると信じて、本人の寂しさや悲しさに喝を入れるような気持ちで接すれば、留学している本人も悲観的な感情を抑えて前向きになります。
日本の進学対策とは違って、留学においては、親が本人の学習指導も計画も立てることができません。ドリルや問題集もありません。いわば、陸の孤島に一人でいるというのが、留学生のスタート時の感情でしょう。そのような状況が理解できればできるほど、中学時代の留学は実行不可になるわけです。
先日のブログで私は、中学留学にたいする親の意識として「まだ早い」ということが支配的であると述べました。しかし、一方で今の日本の現状に対する危機感を、留学という教育を選択することで、解決していこうと考えるご家族が増えていることも
事実です。
結局、親が感じる危機感や理想の教育のかたちをどれだけわが子に伝えることができるかが中学留学においては、一番大きなテーマであると思います。そのために、お母さんは一所懸命に考えます。またそれをお父さんもサポートします。その家族のバランスのなかで、留学する本人もしっかり自分を見つめることができるのではないかと思います。
自分を見つめるという教育のなかでのプロセスは、日本ではそれほど重視されているようには思えません。そのような観念的なことよりも、知識量を増やし、学習技術を向上させたほうが、直接的な効果があるというのが、日本式の教育にあるように思えます。
留学初期は、サバイバルゲームのようなものです。リセットされた環境のなかで、試行錯誤を繰り返しながら、自分の生きていく道を自分で作っていきます。それ故に、わが子をサポートするお母さんの子育て精神が自立しないことには、わが子と対等には向き合うことができません。
つづく