学校選択の要素 - ボーディングスクール留学
ボーディングスクールへの出願はほとんどのケースが複数校であり、単願による受験は一般的ではありません。すなわち、出願者と受け入れ側がお見合いをして、お互いのベストを選ぶという「選択」の習慣が定着しています。最も入学難易度が高いところが「ベスト」ではなく、自分に合ったところがベストという学校選定の仕方は日本とは違うと思います。
特に留学生の場合、ボーディングスクールの難易度情報、すなわちSATの結果や、大学合格情報などを基にして、学校選定の基準とした場合、主人公である志願者の英語力やスポーツ、芸術、音楽特性、総合学力、学校の立地条件などがいつの間にか、置き去りにされて、本人がボーディングスクールに合わせるという状況が生まれかねません。
本人の性格を考慮して、日本人留学生が多い場合、彼らに頼ってしまうという状況の想定や、好きなスポーツをどれ程、学校として留学生のために考慮してくれるか、同様にダンス、演劇、写真、フィルム、バンド活動など、日本の学校ではメジャーにはなり得ない活動をどれほどサポートしてくれるかなどが、留学当初の半年から1年を乗り切るために、本人の精神状態のサポートが重視されるべきであることを、家族がしっかり認識することが大切です。
それでも、入学難易度が高いボーディングスクールへ入ることを検討するのであれば、4年間以上の中等教育機関への留学を2つにわけで、異文化適応主体の前半と、アカデミック中心の後半で、ボーディングスクールを変えるということが検討されるべきだと思います。また、ランク4以上のボーディングスクールへの入学はそれ相当の英語力が要求されますから、10年生での入学を考えるのであれば、少なくともその前の2年間はジュニアボーディングスクールでの学習が必須になるでしょう。
日本の教育システムのなかでは、発見できなかった新たな「自分」を発見することが、ボーディングスクールへの留学の基本です。自分の意見を持つ、自分の考え方のポリシーを貫く、自分に自信とプライドを持つことを、ボーディングスクールははっきりと述べています。
要するに、他力から自力への転換が将来の「自分」の可能性を最大限に引き出す、あるいは伸ばすための基礎にする、そのための学校選定であることが重要なのです。