休日コラム 春分の日-日本と英語圏
今日は、国民の祝日、春分の日です。
「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言われます。
この日を境にして、「春がきた」と私たちの心は認識し、
花(桜)の季節を迎え、その風に新緑がたなびく初夏に向かいます。
お彼岸をウィキペディアで調べると、
「春分と秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽を礼拝し、遙か彼方の極楽浄土に思いをはせたのが彼岸の始まりである。」
とあります。極楽浄土とは、いわばこころのなかにだれでもが、
持っている平和で安心できる世界ではないかと思います。
この「お彼岸の日」を祝って、心のスイッチを冬モードから
春モードに切り替えるという、私たちの自然に対する畏敬と
それに伴う社会観が象徴されている日、それが今日であると思います。
英語圏の春分の日ですが、それを辞書で引くとVernal Equinox、
バーナル・イクイノックスとあります。
ウィキペディアでこのバーナル・イクイノックスを調べると、
「昼と夜の長さがほぼ均等になるイクイノックスは年に2回ある・・・・」
という科学的な説明から始まって、宗教的、社会慣習的な説明はありません。
もちろん、このバーナル・イクイノックスデイが彼らの文化においては、
祝日になることもありません。
太陽と地球の位置関係が夏至と冬至の中間点にある日であり、
この日を「ヘブン」と結びつけるという文化は欧米においてはありません。
日本の自然に対する文化と欧米のそれとが、違うことが春分の日の意味に
象徴されているように思えます。
これから、日本では花見の季節を迎えます。
日本通のカナダ人と最近電話で話したのですが、
「サイトーさん、お花見の季節だね。今年はいつごろ花が咲くの」
―あと1週間くらいかな。まだソメイヨシノのつぼみは固いよ
「そうですか、今年はちょっと遅いねぇ」
―うん、まだすこし寒いよ。
「お花見の予定はあるの」
―特にはないけど、ここ数年、お花見をしていないので、ぜひ今年はやりたいね。カナダにはお花見の習慣がなくて残念だね。花の下でお酒、飲めないしね
「オー、それダメです。そんなことしたら逮捕ですよ」
―清少納言がそれを聞いたらとても嘆くと思うよ。
「RIGHT」
日本の社会がこれからどのように変化しようとも、
その独自の文化習慣は、ぜひ継承していきたいものです。
お彼岸の日、これから父のお墓参りに行きます。