インパクトと自立― 小学・中学・高校留学
インパクトがなければ目標を発見することが難しい時代と思います。
そのインパクトは大きなエネルギーを生み出しますが、
その使い方を上手にコントロールすることも教育の大きな役割と思います。
留学という環境が個人に異文化という強烈なインパクトをもたらし、
それを乗り越えるために大きな、いわば自分でも信じられないような
エネルギーを発するまでに必要なのが、本人を見守るという環境です。
一般に勉強を与える環境は日本では充実しています。
学ぶべきことやそのシステムは英語圏の国々に比較して、細かく規定され、
また実行もされているように見えます。しかし、その成果としての社会は、
よりよい方向にむかっているかというとYESと答える人がどれほどいるでしょうか。
不透明な時代だから小さいうちから安定した道を歩ませると考えた場合、
何が安定の基礎にあるのかがはっきりしていないと、
その道を歩き始めた子どもたちは、自らがやっていることに疑問をもったり
迷ったりしてうまく進めないことも多いのではないかと思います。
安定の本質は自らの発信や創造によって得られるものであり、
組織やシステムに属しているだけでは、決して安定は得られないと思います。
3月1日のブログで、早稲田大学で学ぶアメリカ人学生をご紹介しました。
アメリカでの安定した生活から日本の高校から大学へと進みましたが、
本人は満足をしているようです。
前在日アメリカ大使だったジョン・ヴィクター・ルース(John Victor Roos)さんも
日本の高校で学んだわが子について、異文化インパクトの効用を述べていました。
生きていく力は国籍や文化に関係なく、人であれば誰でも持っているように思います。
すでに経済の世界では国境が取り払われているような状況です。
それをグローバル社会と呼ぶようになってから日本は慢性的なデフレに
陥っていて、それを解消できていません。
この流れがいつまで、どれほど続くのか誰もわからないと思います。
そして、日本が世界のこの流れの中から受けるインパクトは、
やがて日本の社会にも波及してくるに違いありません。
10代の子どもたちに、世界を体験させることで、インパクトが与えられれば、
彼らは自らの力で目標を発見し、それに向かって歩み始める、
目標が自分で決められるようになれば、彼らは半分自立を達成していると
私は信じています。