長所を伸ばす - ボーディングスクール留学
ボーディングスクールに留学して長所を伸ばして、大学進学目標設定を高く設定してそれを達成した留学生を例にとり、その教育の要点を考えてみたいと思います。
まず始めに、この例の主人公は、留学決定時、特別の英語力があったわけではありません。中学生のなかばでボーディングスクール留学を決断し、3年時に9年生としてボーディングスクール生活をスタートしますが、留学前年秋に行われた学校訪問では、英語力のなさを持ち前の笑顔で極力カバーし、基本的な挨拶の受け答えをしっかり覚えたことも功を奏して5校訪問して4校から合格をもらいました。
英語ができないことは、留学においては当然「短所」ですが、中学、高校留学において、英語がすでにできている状態というほうが日本人留学生の場合、稀であると言えます。例外的には、インターナショナルスクール出身者、家族の事情で海外生活を小学校時代に体験している生徒が少数います。
短所をどうにか補うよりも、長所を伸ばすほうがいいということの実践として、前記の生徒は、「笑顔」と「積極的な態度」、そしてスポーツが得意であったということを一所懸命に学校にアピールすることができたために、結果的に「合格」を獲得しています。
もし、英語力を伸ばすということに力を入れていたら、すなわち欠点を補うということを中心に考えていたならば、果たして、本人の英語力は学校訪問時までに目覚ましく伸びていたでしょうか。
答えは、明らかにNoなのです。留学というと、まず「英語が出来なくては」と誰もが思います。そして、「勉強好きでなければ」とも考えます。しかし、留学というのは、人生のほんの一部の期間であり、次のステップにつなげる手段です。この期間に本人の学業のベストパフォーマンスを期待するわけですが、事前準備のために勉強を強制してもほとんどの子どもたちが、留学専用の学習に対しては、熱のこもった集中力を発揮しないのです。
その理由はとても簡単です。小学校最高学年から中学時代、そして高校時代の留学では、自分の情熱的意思によるというよりも、親の教育方針のなかで留学が決定されることが多いからです。
つづく