自主性の発見 - 小学・中学・高校留学
<土曜日のブログに続きます>
思っていたよりも異文化での生活の自由度は多く、日本のようには学校生活で細かな指摘は全く行われない・・・。留学当初の日本からの留学生たちは、学校生活のあり方の違いに驚きと期待感を同時に持ちます。しかし、その反面で何事につけても、意見を求められ、判断を求められることに、失敗を重ねることになります。すなわち、学校で起こっていることの情報が網羅できないのです。
日本であれば、クラスという便利なユニットが中心となって学校生活が行われるために、情報の聞き漏らしということはあまり考えられません。重要伝達事項は、個人でなく、クラス単位でもたらされますから、「知らなかった」ということはあり得ません。ところが、ボーディングスクールには、クラスがありません。ホームルームもありません。担任の先生もいません。その代わりに、アドバイザーという生徒個人を担当してくれる先生と週に1回くらいの割合で定期的に面談が開かれます。
この先生の機能は、広報ということではありません。生徒の学業や生活のアドバイザーであり、毎週何が起こるか、行われるかなどについては、アドバイザーが教えてくれるわけではありません。
メンターと呼ばれる、学内での「お兄さん、お姉さん」という役割を演じる人もいますが、彼らにしても、自分たちの担当する後輩の日常を管理するような役割を与えられているわけではありません。
結局、留学生たちは、自ら行動するしかないのです。
授業がわからなければ、先生に相談する。しかし、先生は自分の都合のいい時間に必ずしも相談に乗ってくれるわけではありません。時には、先生との相談の「予約」も必要になることでしょう。
メンターの人たちを有効活用するためには、自分の英語力を上げて、コミュニケーションがスムーズに行われることが、とても重要と気づくまで、かなりの時間もかかります。
週末や重要連絡事項は、掲示板やメールによる伝達などを絶えず確認する癖をつけなければいけません。勉強がわからないという前に、解らないことを誰にどのように聞けば一番効率よく問題解決ができるのかを、知ることがボーディングスクールライフの基本です。
日本での限定的な覚えること中心の学習から、留学生たちは生活的自立を求められる総合的な学習へと自分の意識をシフトさせていきます。それが、留学生活では「必然」となるからです。