小学校留学 2
小学生の留学はできれば高学年からが良いと思います。
それまでに、できることならば、自分の意見を言う、議論ができる、
自らが主体的に動くというような習慣が身についていれば最高です。
日本において、プレゼンテーション力、ディスカッション力、
クリティカルシンキング(多角的思考)などが社会人になるまで
完成しないのは、教育のなかでそのような力が重視されていないからです。
では、どのような力が重視されているかというと、知識にほかなりません。
これは、クラスの規模の大小にかかわらず、また内容のよしあしに
かかわらず、誰でも公平に学ぶことができるからです。
英語圏のボーディングスクールでは、中学校と高校の学校での生活や
入学のためのプロセスは、大学入試と似ています。また、中学高校での
学習の内容も、大学での学習の内容と同様に、読み書きが徹底して
訓練されます。単に読み、単に書くだけであれば、クラスの人数は
多くてもいいわけですが、ボーディングスクールでは、読む内容や
それをどのように捉えるかということが、大きな議論の対象となります。
また、歴史の授業も事件と時代の重要事項の暗記よりも、
なぜ事件が起こったのかなどを、徹底的に議論します。
小学校から議論やプレゼンテーションが当たり前に行われるために、
日本の学校での講義中心の授業にはなじめなくなります。
日本でも社会に出れば、プレゼンテーション能力、ディスカッション力、
自己主張やクリティカルシンキングは必要ですから、
出来ることであれば、そのような基礎力は小さい時から養いたいものです。
しかし、日本においては、出る杭は打たれ、やはり調和や協調という
組織が重視されるなかで、教育が行われていると思います。
したがって、少人数制のクラスや、ディスカッションなどが、
これからの教育のなかでも重視されては行かないと思います。
小学生からの留学は、子どもたちがいち早く新たな学校環境に
適応していきます。そして、いったん小さなクラスで、
自由な発想や発言が許されれば、大きなクラスで同じことを学び、
個人の意見は後回しという環境に戻ることができなくなるのは、
覚悟しておかなければいけないことと思います。