スイスボーディングスクール 最初の日本人留学生
今日、開かれるスイスボーディングスクールフェアーに先立ち、
昨日スイス大使館でレセプションが開かれました。
スイス大使、ブッフェル氏のスピーチに続き、
日本人として初めてスイスのボーディングスクール(ラ・ロゼ)に留学した
モリ・ケイさんが当時の留学事情を話されました。
彼が留学したのは14歳の時、1969年でした。私とほぼ同世代の方です。
留学して彼が受けた最初の質問は、What is your religion?だったそうです。
良くある質問であり、日本からの留学生がおそらく誰でも体験する、
生活信条の日本と西洋の違いへの認識第一歩です。
いきなり「宗教は何」と聞かれて、本音は「ない」なのですが、
私たちは「仏教」と答えます。標題から外れ、余談になりますが、
私たちは、宗教がないことに対して、プラスの意識は持っていません。
キリスト教式結婚、願掛けは神道の神社、バレンタインデイには全国で
チョコレートが売れ、最近は、ハッピーハローウィンで10月30日は
仮装した人を街で見かけるようにもなりました。そして、葬儀は仏教。
この状況は確かに、欧米では考えられません。
それを宗教的に節操がないと考えるか、あるいは、何でも取り入れて、
商売に利用したり、楽しく生活する手段にしたりするのは、
オーケーと捉えるか。
日本人は極東の島国で外来文化を受け入れることによって、
立派に生きてきました。私は何でも受け入れるという「受容性」こそが、
日本人の根本理念であり、世界に誇れる信教すなわち宗教と思います。
すくなくとも、思想信教の違いで、お互い憎しみ合い、闘争となり、
尊い人命が失われるよりもはるかに優れた考えであり、
グローバルの理念にも合致します。
モリさんの留学したラ・ロゼには、イランの石油を支配した王族の子弟、
アメリカの政府高官の子弟、ほか幾人かの世界的に有名な人々のことが、
言及されました。
彼はスイスの美しさと平和さを愛で、貴重な異文化体験が自分の人生に
及ぼした多大な影響を及ぼしたことを述べた後で、
「日本ほど良い国はない」と言われました。
私は、彼から10年遅れてサンフランシスコに留学しましたが、
彼とほとんど同じ精神的足跡をたどったと言っていいと思います。
自分の世界が広がれば広がるほど、故郷がいとおしく思われる、
そしてより知りたくなることは、天に感謝すべき幸せと思います。
留学から得られる精神への天からのギフトは、グローバル時代でも
変わることは決してないでしょう。
そのギフトをなるべくたくさんの若者に届ける手助けをするのが、
コンサルタントの使命です。